2010年10月30日土曜日

肩を貸したり借りたり

移動が多い今日この頃。

トロトロに揺られ、ガーナ人もうとうとしちゃいます。



首都アクラに上がってきます。 皆さま、よい週末を。

2010年10月29日金曜日

木の下の学校

やって来ました、「木の下の学校」。


こんな感じで、4~6年生が木の下で仲良く授業を。



黒板はこんな感じ。



いつものように、算数と理科の授業をしました。

授業がはじまれば、場所なんて関係ないなと感じました。かけ算も理科の実験もやるよ!


写真は担任のドメネク先生が撮ってくれました。

ちゃんとティームティーチングしてくれるドメネク先生、ありがとう!



「よし、次の実験は、外に行ってやろうか」と、屋外で言い放ってしまいました。

ちょっとした実験でも、子どもたちがグワっと寄ってきます。


真剣なのはうれしいが、おい、ちょっと寄り過ぎだぞ…



今回は以上です。(モザンビークやんぶろ風)

2010年10月27日水曜日

ガ英研(7)

ガ英研の皆さま、秋の夜長いかがお過ごしでしょうか。

ネグロス島理科向上委員および当会名誉顧問であるフィリピン隊員のとしさん、

ブログでふれていただいてありがとうございます!お元気そうで何よりです。


さて、第7回目の定例会は、「ガーナ特有の受け答え」です。

今日の提案に、異論・反論・オブジェクションをお持ちしております。



★ Don't Mention it.

これは、Thank you.に対する答えとして、最も使われているような気がします。

もちろん、You're welcome.や No problem.も使われるのですが、

今まで使ったことがないせいか、やたらと Don't mention it.が耳に残ってます。


我らがジーニアスにも、mention の項目にこの表現がちゃんと掲載されてます。


(以下、引用)


【略式、感謝・おわびに対して】 どういたしまして


(引用おわり、第4版1224頁)


英語の先生方、会話練習にこの Don't mention it.も加えてみてはいかがでしょうか?


★ Same to you.

これは主に、Have a nice day.などに対する答えとして用いられます。

You, too.みたいな感じですね。

Have a nice a day.と言うと、ほぼ100%の確率でこれが返ってきます。


ジーニアスには見当たりませんが、英辞郎 on the web()では、用例がたくさん出てきます。

なんだか音の響きがいいので、自分もよく使うようになりました。



ガーナ隊の皆さん、他に何かありますか?コメント、メールお待ちしておりますよ!



追記:

英辞郎 on the web はアルクのHPから使えるのですが、これがめちゃくちゃ秀逸。

データベースから例文ごと、しかもたくさん出てくるので英作文をする時などに便利。

英語に興味ある方、一度お試しあれ。 はい、右下をクリック!

英辞郎 on the Web:スペースアルク

2010年10月26日火曜日

水は出ましたが、

朝4時半ごろ、ニワトリの鳴き声で目を覚まし、いつものようにトイレへ。

汲み起きした井戸水でトイレを流そうと思ったら、なぜかタンクに水が。

もしやと思い、フラッシュしてみたら…。


出てる、出てるじゃないか! 水道復活! うおおおおおおーーーーーー!!!!


「水道が出ないよ1ヶ月記念日」をどう祝おうか考えていた矢先での、キセキ。

思わず服を脱ぎ捨て、シャワーをひねって両手でゴシゴシ洗いました。

ついにで浄水器も洗うことができました。至福のひととき…



今は本当に水も電気も不安定だから、必然的に「エコな生活」をしているけど、

果たしてそんな自分が2年後、日本でも「エコな生活」をしているだろうか。


少なくとも「電気も水も十分にないので、エコしてます」というのは、日本ではないでしょう。


今の生活で感じている、なんとも言えない不憫な思いもいつかは薄れていくだろうから、

「電気も水も十分にない生活をしている人たちを知っているので、エコしてます」と

ずっと言える自信も、正直言って、あまりないです。


でも、「自分くらいはエコしなくたって、この大きな地球には影響を及ぼさないだろう」

というのだけは、これからも言いたくない言葉だなと思います。



この「自分くらいは…」というのは、非常に危険な言葉です。

「自分がやらなくても、誰かががんばってくれるだろう」とか、

「自分がやってもやらなくても、他の人は気にも留めないだろう」なんて思うと、

いろんなことがうまくいかなくなります。


サッカー日本代表の岡田前監督は、よく「村の祭り」というたとえ話を選手にするそうです。


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収穫を祈念して、夏祭りをする村があった。

祭りでは、お酒が入った大きなたるを、みんなでパーンと割って始める風習があった。


ところがある年、不作でお酒が買えなくて、

みんな集まって「どうしよう、これじゃお祭りできないな」と悩んでいた。


するとある人がこんな提案をした。

「みんながちょっとずつお酒を持ってきて、たるに入れたらどうだ?」

「それはいいアイデアだ」ということで、みんなが持ち寄ってたるがいっぱいになった。


「これで夏祭りを迎えられる、よかったよかった」ということで

当日みんなでパーンと割って「乾杯!」と飲んだら、ただの水だった。


みんな、「オレ1人ぐらい水を入れても分かんないだろう」と思っていたのだ。

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かつての勤務校には「合唱コンクール」というのがありました。

クラス対抗で合唱をするとなると、そのクラスの様子が如実に表れます。


「自分は一生懸命歌わなくても大丈夫だろう」とか

「音楽の得意な人がなんとかしてくれるだろう」なんて思う生徒がたくさんいると

ちっともうまくいかないものです。


逆に、「自分がサボったら、このクラスに迷惑をかける」とか、

「自分のクラスなんだから、自分が少しでも力になれたら」なんて思う生徒がたくさんいると

本当に感動的な歌声を響かせ、自分たちもさらにクラスが好きになるきっかけになるものです。


今思えば、先生してる時ってこの「自分くらいは…」という気持ちを

いかにして「自分がなんとかしなきゃ」にならないかということに腐心していたように思います。


将来たとえば務めた会社が傾きかけたとして、

このままじゃつぶれちゃうからみんなで外回って販促かけて立て直すぞ!って時、

わが社のふんばり時ですよね、でも私庶務だし、私は別にやらなくても大丈夫でしょ?

なんて、冷やかな気持ちの人にはなってほしくないですものね。


みんなで歌う時も、チームで仕事をする時も、

それに大きすぎてなかなか目には見えない環境問題を考える時だって、

常に「自分がやらなきゃ」という気持ちで考えられたらいいなと思います。


というわけで、「水がないから、エコをする」というより、

「自分が水を使いすぎるとみんなが困ったことになるから、エコをする」でいきたいものです。


水が出ただけで朝からこんなに脳みそを刺激されるとは…。相当大きなイベントでした。



って、あれ、また水が出ないんですけど…。 残念!!

2010年10月25日月曜日

勇気のチキンスープ

4日に1回開かれるアカチのマーケットは、相当広くていろんなものが売っていて楽しいです。

現地語で「おまけしてっ!」とねだると、本当におまけしてくれたりもします。


でも、「生鮮ゾーン」に近づく決心をするのには、なお数か月かかっています。

だって、このゾーンに入ると血なま臭いにおいがプーンと…。



生の魚が屋外で売っているのには、ひたすらビックリです。



もちろん肉もあります。時間によっては、かなりハエがたかっていますが…(※今回はセーフ)



それにしても、ガーナで生活するには積極的にたんぱく質を摂らないと夏バテしちゃいそうです。

だって、ここは年中夏ですから。

今日こそ勇気を振り絞って、チキンを購入したいと思います。

屋外で売れるのも、ハエがたかっているのも、新鮮な証拠ということで!



マーケットでなじみの野菜も買って、スープにしたいと思います。

材料費はおよそ180円。格安です。


【材料】

●トマト:大4つ(50ペソワ)

●オクラ:ひと固まり(20ペソワ)

●玉ねぎ:大4つ(30ペソワ)

●キャベツ:小1玉(1セディ)

●鷹の爪:適当

●チキンストック:味を見て

●チキン:手羽先をひと固まり(1セディ)


ハエが卵を産んでいないか祈りながら確認して(被害に遭った先輩あり)、よく洗います。

そして、これでもかというくらい徹底的に煮ます。

野菜も切ったりちぎったりして、鍋にぶちこみます。

チキンに火が通り、野菜がしんなりしてきたらストックと塩コショウで少しだけ味付け。

厳戒態勢で臨みましたが、あっけなく完成です。



いや~、これがウマかった!あんなに煮たのにチキンが柔らかい!

煮込んだ野菜も、チキンのだしを吸いこんでやさしい味に。

ガーナの野菜、形はいびつだけど、めちゃくちゃ甘いです。


しめはご飯にスープとしょうゆ、香り付けにごま油をちょっとたらしておじやにしました。

これ、居酒屋で出してもイケるんじゃないかと思うくらい、我ながら絶品でした。

星みっつですっ!!


明日も食べよっと。

2010年10月22日金曜日

アイム・ノット・チャイニーズ

RCという小学校におじゃまして、2日目。


1日授業やると、「チャイニーズ!」じゃなくて

「JUN!」「KOFI-JAPAN!」なんて呼びながら寄ってきます。


ムフフ、ニヤニヤ。


「オーチタオチタしよ!」「今日は手品ないの?」だってさ。


かわいいのぉ、ニタニタ。


巡回指導なので、いつも「はじめまして」から始まるし、

ちょっと顔を覚えたと思ったら、もうさよなら。

その辺はさみしいなと思うけど、少しでも名前をたくさん覚えられたらいいなと思います。


ちなみにここの校長先生はバナナ大好きで、私にもたんまり食べさせてくれます。

授業受けてる子どもに「おーい、バナナ買ってこーい!」っていうのにはビビりますが…。


あ、RCで授業をしている日に、同任地のI隊員が授業参観に来てくれました。


彼は教員養成校に配属されていて、まじでいろんな活動をがんばっています。

授業のアイディアやガーナでの暮らし方など、イチから教えてもらってます。

もうお世話になりっぱなし。I隊員、いつもありがとうございます!

授業後に作ってくれた焼きそばも、うまかった~!


そんなI隊員が撮ってくれた、授業のひとコマ。

フラッシュカードかわりにノートに計算式書いて復習をしているのだけど…



え、教室が暗いって?

そうなんですよね。ちょっと曇ると本当に暗いし、黒板もザラザラで字が見にくいだろうな…。


え、シャツが派手すぎるって?

そうなんですよね。チョイ悪どころか、日本だったら警察に職務質問されそうです。



来週はどんな学校かな。



2010年10月21日木曜日

書籍紹介まつり(1)


何気なくパソコンをいじってたら、「ブログで書籍紹介」って記事が。

なにー??やってみたいぞー!! というわけで、とりあえず実験的に1冊紹介を。


ガーナに持ってきたい本はたくさんあったのだけど、

荷物の重量制限があったので、泣く泣く置いてきた本は数知れず。

そんな中、激戦を勝ち残った1冊がこちら。


先生はえらい (ちくまプリマー新書)
先生はえらい (ちくまプリマー新書)
内田 樹

筑摩書房 2005-01
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学校の先生が「先生はえらい」っていう本を紹介するのは…と思われるかもしれませんが、

別に「先生ってスゴイんだぞ、コラ!尊敬したまえ!」っていう本ではまったくありません。


友達が「アイツかわいいよなー」とのろけても、なぜその子がどうもかわいく見えないのか。

そして、なぜその子とは違うだれかを「アイツかわいいよなー」と一目ぼれしてしまうのか。

サッカーの試合はボールが一番大事なはずなのに、

そのボールをできるだけ多く相手のゴールに「渡してしまう」と勝ちになるのはなぜか。

みんなが望む「恩師」や「すばらしい先生」はこの世に存在するのか。

ていうか、学ぶって何?


内田樹という人の本は、本当に切り口が新鮮というか、

「あーなるほどな」って思うことばかりです。

この本は自分が教員3年目にふと読んだ本です。

いまだに、だいぶ影響を受けている本です。

なので、今でもたまに読み返す本です。

もともとは中高生向けに書かれているようなので、読みやすいと思います。


画像をクリックしたらamazonにジャンプするらしいです。チェケラ!

でも、もしクリックしてオーマイゴッド的なサイトに行ったらどうしよう?!

その時は、ソッコーで教えていただけたらと思います…。

2010年10月20日水曜日

ほかっとけ、でもほかっとかない

自分は曲がりにも学校の先生をしてから派遣されているので、

先生としての楽しさや難しさみたいなものを、少しは知っているつもりです。


6年という短い時間の中にもいろんなことがあったけど、

自分の中でのターニングポイントは

「そんなん、ほかっといてやれ」って言うようになったことでしょうか。


部活でスタメンから外れて悔しい思いをしている子がいる。

打ててたのに、なぜか突然バットにボールが当たらなくなった子がいる。

自分はがんばっているというのに、成績が伸びない子がいる。


こういう子に、先生として言ってやれることは少なくないです。

左足のキックを伸ばしたら、もっとプレーの幅が広がるから練習しようぜ、とか

ヘッドが下がってるからじゃないか、素振りしてみようか、とか

夜遅くまで宿題やってるらしいけど、それまでの時間はどう過ごしているんだ、とか。


でも、結局やるかやらないか、

変わろうって本気なのか、それとも口だけなのかは本人次第なんです。

「ちゃんと教えてくれない」「塾に行かせてくれない」って人任せの人がいるけど、

そんな子には「アホか、目覚ませ!」と一喝したくなります。

本人が本気になって変わろうとしない限り、

力を伸ばすとか人生を変えるとか、そんな「奇跡」は起こりっこないです。


で、あえて突き放すようなこともするわけです。

なんでもかんでも与えるのではなく、自力で這いあがってこれるのかどうかを待つ。

自分が本気なのかどうか、自分に問いかけさせる。

「ほかっといてやれ」っていう言葉を聞いた人は

「コイツ、それでも先生か?」と思うかもしれないけど、

その方が本人のためになるということは、往々にしてあると思います。


でも、最初はこれができなかった。

原因をいつも技術論に返して、肝心の本人のやる気に火をつけるようなことはしてなかった。

しかも、心を鬼にするってのは、「本当にこのアプローチでいいのか?」とか

「恨まれっぱなしで帰ってこないかもしれないが…」など、それなりの覚悟が必要なわけです。

先生って、だれも子どものことが嫌いじゃないものね。


さらに、このような方法を講じた時、とっても大事なのは

「本人に気づかれないように、さりげなくめっちゃその子を見る」ということ。

泥沼から這い上がってきた時に手を貨せるように準備しておきたいし、

いつかまた歩き出す時に「私はそれでも見捨てられてなかった」と思わせたいから。

「ちゃんと見てるよ、興味をもっているよ」というのは人間関係のキホンだと思います。


そんなことを先輩先生から、あるいは成長していく生徒から教わりました。

実際、自分はこれを一人でできるようなグレートティーチャーではなく、

何度も何度も失敗していたし、

誰かを突き放したら、必ず「アニキ的」「お姉さま的」「パパ的」「おかん的」な

別の先生がいつもフォローしてくれてました。

本当に自分は恵まれた職場にいました。F中の先生方、お元気ですか。

突き放したのなんだの、すったもんだあった卒業生や在校生たちは元気にやってるのかな。



さて、なんでこんなことを書いたか。

それは、あまりにもこっちの先生が子どもに興味を示しているように思えないから。


今日は違うクラスで、昨日と同じかけ算の授業をしました。


6の段を練習している最中、自信マンマンに声を出してた子を

「ウルサいわね!」とムチでしばく担任のマダム。


最後の演習問題で、6の段を間違えて答えた子を

「本当に馬鹿ね!」とムチでしばく担任のマダム。


その割に、演習をしている間は一切子どもの様子を見ず、

ケータイで世間話をする担任のマダム。


私が正しくてマダムが間違っているということを言いたいのではありません。

ここはガーナで、ガーナの考え方があるわけですから。


でもね、最後の演習で6×7までは言えるようになった子を見つけて

「グッジョブ!」って言っただけで、その子めっちゃ喜んで、手を握ってきたよ。

先生してて楽しいのって、そういう瞬間だぞー。


この厳しい環境で学校に来ながらも勉強が分からん子をほかっとくのと

さっき言った「ほかっとけ」は、全然意味が違うぞー。


そういうことを伝えたいのだけどうまく伝わらない、この言葉の壁。

そして、言葉の壁よりブ厚く感じる、考え方の違い。


チクショー!これを読んでくれているみんなと

「オラに元気を!」と元気玉を作れたら、一撃なんだろうな。

なーんてグチグチ言ってもしょうがないから、今日はパイナップル食べまくるぞ。


では。

2010年10月19日火曜日

大学の附属小にて

自分の任務は郡内99の小学校を巡回し、理科と算数の授業を行うこと。

12月までの1学期は4年生にかけ算、5年生に磁石と光の授業を行うことにします。


そして、ついに任地で初授業でした。ようやくの授業、ここまで長かった…。

今日はカレッジの附属小へ。事務所いわく「郡のモデル校」で、ハイレベルであります。



さっそく校長先生にごあいさつ。レッスンプランを説明すると、

「うちの4年生はかけ算くらいできるぞ、もっとハイレベルなものを」とのこと。

「うーん、でもやったとできているは違うし。とりあえず授業見てください」とゴリ押し。


授業ではいろいろあったけど、やっぱりかけ算の授業が印象的です。

「1袋6個入りのマンゴーを、9袋買いました。マンゴーは何個?」

こんな場面に出くわした時、皆さんならどうしますか?かけ算使う?ですよね。

でも、こっちの子たちは必死に線を書いて数えたり、

ちょっとかしこい子になると6を9回足し始めます。


そこで、「おーい、かけ算使うと一瞬でできるぞー。」と言うと、

「マジっすか、ミスター!?」って反応をします。

子どもたちは数字を見てもそれが何なのか、よく分かってないんだろうな。


九九表を教育事務所が前任の方と作成してくれたので、それを活用。

今日は6の段をいろんなバリエーションで、とにかくみんなで練習。

この九九表を99校に頒布して掲示などで活用してもらうようにするのも、大事な任務です。

九九を暗記するっていうことは、それほど重きを置かれていない様子なのです。


「6の段、言ってみるよ。できるかな?」

「カンタンだよー!ろくいちがろく、ろくにじゅう、ろくさんじゅうろく…」

…アカンアカン、できてないやん!練習あるのみ。



最後に6の段を紙に書かせてみたけど、まだまだイマイチ。

イマイチなのはしょうがないとして、問題はカンニングしてその場をやり過ごそうという子。

しかも、そういう子が非常に多い。

この「答えさえ合っていればそれでよし」的風潮を、ガーナに来てすごく感じます。

そして、先生も結果だけで判断し、その過程は一切無視という感じ。

答えが間違っていれば、ムチでバシバシしばいて泣かせてますから…。

そりゃ、子どもたちも先生の目を盗んでカンニングを働くようになるような…。



授業が終わって、校長先生や担任の先生と懇談。


担任の先生:

(6の段のできが悪いことについて)今日は子どもたちの調子が悪かったわね。

新学期が始まったばかりで忘れてしまっているわ。

これから授業のはじめに復習をさせてみるわね。


校長先生:

いいんじゃね。かけ算はカンタンだったろ?

あとはな、計算ドリルをたくさんさせてやってくれ。

うちの子は教科書もノートも持っているんだから。



新学期が始まってもう1カ月経ってますけど、とか

ていうか校長先生1秒も授業見てないやん、とかいろいろツッコミたくなったけど、

担任の先生が「復習をさせてみる」と言ってくれたのはデカい。


まだまだ始まったばかりだけど、

「繰り返す」とか「繰り返すことを飽きさせない」とか、

「間違えても大丈夫」「答えは何かより、どうやって答えを出すのかに興味をもつ」など、

なんかそういう流れにもっていけたらいいなと漠然と思います。


自分の考えにしがみついて頭を固くするのもどうかと思うけど、

やっぱりせっかく来たんだから、少しでも自分の想いは伝えていきたいところ。


逆に、ガーナの先生の考えもちゃんと聞きたい。

例えば「うちの子は教科書もノートも持っている」という校長先生の言葉は、考えさせられます。

たとえ貸出の中古だとしても、教科書があるってすごいことなんだなと。


明日も附属小に行ってきます。

2010年10月18日月曜日

北へ、北へ

北の町タマレでの「バイク研修」に参加してきました。

首都からおよそ600kmのロングトリップ。

ダイジェスト版で旅の報告をします。


【火曜日】

いつもの「トロトロ」ではなく、VIPバスを利用。

チケットを買うことにビックリ。



そのキレイさにもビックリ。クーラーにリクライニング!



緊張の出発。



3時間後、トイレ休憩。チップを払って用を足す。

デコボコ道に揺られると、バスなのに船酔いのようになるから困る。



さらに3時間後、経由地クマシに到着。

さすがガーナ第2の都市、とにかく都会。



街の人もなんだか勢いがあって怖い。街中ではカメラを出せず。

クマシ近辺の隊員も交えて、明るいうちからひたすら飲む。

ホテルもキレイでひと安心。


【水曜日】

朝早く起床。飲みすぎによる頭痛は自業自得。

同期2人とはここでお別れ。飲みすぎた感たっぷりの風情。



朝ごはんはハンバーガー。重たいけど、妙にうまい。

3セディ。でもガーナでハンバーガーを食べれる喜びは、プライスレス。



クマシからはSTCバスで目的地タマレへ。

あと360km、がんばろう。



3時間過ぎた頃に、トイレ休憩。

ここのトイレは、かなりレベルが高かった。女性も立って用を足しているようだ。


でも、こういう状況にも顔をしかめなくなったから、慣れってすごい。



さらに3時間。デコボコ道でもリリー・フランキーを読破。

椎名誠も読もうかというところで、念願のタマレに到着。


夕暮れのタマレは、穏やかでキレイ。


…って、あべちゃんジャマだよー。あべちゃんも現職教員だよー。



無事に全員そろって、ホテルのそばで中華料理を。

期待もテンションもかなり上がったが、餃子もラーメンもないという挑発的な接客。

餃子もラーメンもない中華料理は、中華料理と呼ばないぞオイ。

なんて言いながらもビール祭り。ちなみに餃子は英語でdumplingらしい。


ホテルでバタンキュー。



【木曜日】

バイク研修当日。

暑い。朝から日差しが痛い。そして、頭も痛い。



ところで、貸与されるバイクはクラッチがない。

左足のギアも、日本のやり方とはちょっと違う。

ちょっとしか違わないから、むしろとまどう。



そういえば、訓練が始まる前に埼玉でもバイク研修があったけど、

あの時よりも、今回の方が断然「悪路走行」はリアルだ。

気なんか抜いたら、間違いなく転ぶ。



人生初のラウンドアバウトも走行。最終試験も無事にパス。



タマレ隊員も勢ぞろいして、30人くらいで打ち上げ。

食べ過ぎて飲み過ぎてるって分かってるのに、この日もまた。

ホテルの水が出なくて我に返る。おとなしく寝る。


【金曜日】

帰路に着く。まずはタマレを目指す。

ホテルのシャワーは復活したものの、妙に水が錆くさくて、ちょっと茶色い。

キレイになったのか汚くなったのか分からないけど、体を清めてステーションへ。



ガーナの朝は早い。ステーションに着いたのが6時ごろ。

道で朝ごはんを買う。玉子焼き入りパンをほおばる。

食べ終わってから、昨日は飲みすぎたことを思い出しても後の祭り。



椎名誠の途中で、夕方タマレに到着。

そのままカフェというか喫茶店に。


「スパゲティ・ポロ」なるものを発見。

どんなものかをたずねたところ、お姉さんが「モック」と連発。

そして、コーヒーの欄をしきりに指をさす。


え、モカ?コーヒー味のパスタ?


物は試しということで頼んでみたら、普通のクリームパスタが。

とってもおいしく、「モック」って何だったんだろうと思っていたら、

お姉さんがフフフと笑顔でミルクの缶をテーブルに持ってきてくれた。


え、まさか「モック」って、「ミルク」って言ってたの??


彼女の発音に難ありなのか、われわれのリスニング能力が乏しいのか。

でも、お互い「ミルクかよー!」「そうよモックよー!」って笑顔。


去り際に少し、分かりあえた気がした。


そのままカレー屋さんに。協力隊の胃袋は無尽蔵だ。

こうなったらアセトアルデヒドも栄養にしてやる覚悟で。


【土曜日】

タマレから首都アクラへ。長い旅路もいよいよ終わる。

VIPバスのステーションは、本当にやかましい。

タチの悪そうな兄ちゃん、オジちゃんたちがひっきりなしにからんでくる。


荷物を持つから金をくれという兄ちゃんには波動拳でごあいさつ、

朝ごはんを買ってくれというオジちゃんには笑顔でソニックブーンを。


え、まだ食べるかあべちゃん!

オイラは、オイラは本当に頭も胃もガタガタだ…。



最後の休憩所でライスパックを購入。

何も言わず5セディ出したが、ちっともお釣りが返ってこない。

「細かいのがないの?」って聞くと、

「何言ってるの、あなたちょうど払ったじゃない。ごきげんよう!」

…だいぶ恥ずかしかった。



ざっとこんな感じです。とにかく長かった…。

北に行くにつれて、景色や人の雰囲気も変わっていくのはなかなかのものです。


北に住む隊員は、首都に上がるのも体力使うんだなぁ。

そんなことを体で感じた1週間でした。


さて、胃を整えて来週からの授業がんばるか!

2010年10月14日木曜日

これがあるから、がんばれる



出張というか、旅に出ている最中です。

ちょうど今インターネットが使えるので、更新しちゃいます。


たまに首都に上がると、ここぞとばかりにおいしいものばっかり食べてしまいます。



みんな普段はけっこうな生活をしているから、

たまのごほうびにぜいたくしたって、バチは当たらないと信じてます。


喰いだめだ、喰いだめるぞ!!



途上国と言われても、首都は信じられないくらい都会だぁ。

北の町タマレも、楽しんでます。


では、また。

2010年10月13日水曜日

money to spend, not to save

前回の家賃の件の続き。


そういうことがあったんだよねー、と晩ごはんでパパさんと会話したら、

んだとコラー!あの大家がゴネたらオレんとこに連れてこい!」とご立腹でした。


そうだよね、警察の署長さんだから町の犯罪はすべて掌握済。

そして、あの盗難事件は日本人を守ってやれなかった大家のせいで、ガーナの恥だとも。


なんと頼もしい…。


「で、あの大家はお金をJICAに返還できるかなぁ?」と聞いてみたら、

「それは難しいかもしれんな」との答えが。


半分「なにーっ!?」、半分「やっぱりか…」という気持ちでいろいろ話しているうちに、

パパさんから名言が。


お金は使うためにある、貯めるものではない。


いつ死ぬか分からないのに、貯金なんてするなんて愚かだ、

それに貯金を残して死んだら、遺された家族が相続のことでケンカになるだろって。



ははーん!なんとも気持ちのよい考え方。大家もきっとパーっと使っちゃっただろうな。


「Junも生きているうちにドンドン金使え、貯めようなんて思うなよ!ガーハッハッ!!」


パパさん、ボクね、日本に帰ったら「婚活」というのをしたいのね…。



追記:

さて、実は筆者は再び旅に出てます。今度は「バイク研修」なるものです。

タマレという町に向かってます。行くだけでここから2泊3日かかります。


2泊3日あったら日本に帰れるじゃん、というツッコミありがとうございます!


来週はじめにまたお会いしましょう。では。

2010年10月12日火曜日

ガ英研(6)

前任の人が住んでいた家へ、JICAは引き続き後任の私を住ませる予定でいたようです。

ということで、その大家に私の2年分の家賃をJICAが一括前払いしてくれたんです。


ところが、その家で盗難事件が起こった。


これに教育事務所(GES)スタッフが心配してくれ、すぐに別の家を探してくれました。

それが、現在私が住んでいる警察の署長さんのお宅ということです。

警察の署長さんには、GESが予算を工面して私の家賃を払ってくれています。


こういう準備は、全部自分が来る前に行われていたこと。

今こうして何も心配することなく暮らせるのは大変ありがたいことです。



さあ、ここまでお読みになってお分かりでしょうか。


そうです、「あれ、前の家に払った家賃はどこへ?」ということなんです。

ということで、前の大家に家賃を返してもらわねばなりません。

ところが、前の大家が「それはできない」と怒り出し、だいぶ問題になりました。


JICAが動く前にGES、大家と連絡を取ることになった自分。

お金のことはよく分からないし、うーん…。


それでも話を聞いてみると、それぞれの言い分が違っていることに気付きました。


JICAが払った2年分をGESは取り返してくれていると思った、とJICA。

JICAが前払いした事実なんてそもそも知らない、とGES。

俺はしばらくクウェートで働いて今は首都で過ごしているから、

家にKofiが住んでいないなんて知らなかった。

勝手に家を変えたのは失礼だ、だから金は返せない、と大家。


これは厄介だということで、当事者すべてアカチに集合してもらい、直接話してもらいました。


結局、「Kofiがいないなんて知らなかった、金は返せない」という怒りの手紙を逆手に取り、

その手紙を書いた時点では、家にだれも住んでいないという事実は知っているのだから、

手紙の日付からさかのぼって1年と10カ月分の家賃を返還する契約をしました。


なんとかWIN-WINの状態なので(なのか?)、ひと安心です。



ガ英研の皆さん、前置きが長くなりました。この件での教訓です。


それは、「分かるまで何度も何度も聞くこと」。


不動産にまつわる語彙や、契約に関する会話は難解でありました。

でも、ここで適当に「リョーカイ!」って言ってしまうと余計に話がこじれてしまいます。



この件で多用した表現ランキング!

3位:What we are discussing is that ... / To sum up, ...

2位:Let me check, you mean ..., right?

1位:Pardon? / Could you say it again?



もう、何万回Pardon?を繰り返したことか。

英検ならPardon?の多用により、かなり減点されているんじゃないかと思います。


でも、実際の生活では意味が分かるまで聞き続けたり、

理解したことを確認したりが大事だと痛感しました。


2年後の英語の授業では、こういう姿勢なんかも伝えられたらなぁ。

何度聞いても怒らないガーナ人も立派です。

2010年10月10日日曜日

ゴージャスツナ飯

かつての勤務校の愛すべき同僚、Dニエル先生からメールをもらいました。

「ご飯炊く時にしょうゆを入れたら、気持ち炊き込みご飯に…」

なーるほど。相変わらず彼らしい、豪快なアイディアをいただきました。


D先生、お元気そうで何よりです。ありがとう。


そして、時を同じくして任地にてツナ缶を1セディで発見。

よし、ツナ缶も入れてゴージャスな炊き込みご飯にしよう!



そして、同期のS隊員より、炊き込みご飯の極意を伝授いただきました。

しょうがはみじん切りにして、

米を炊く前にしょうゆとチキンのだし、しょうがを入れます。

仕上げにはごま油やライムを絞るといいそうな。


ありがとう、S隊員!筆者の健康は、読者の皆さんのおかげです。


ちなみに今日の水も、井戸水をろ過して使っています。セーフティ・ファースト。



そしていよいよツナ缶を…となった時、

悲しいかな、ガーナの缶切りをうまく使いこなせない自分に気づきました。


ヤバい、いい歳こいて缶切りすら使えないなんて…。

しかし背に腹は代えられぬ、炊き込みご飯欲しさに恥を捨てて、ママさんに泣きつきました。



するとママさん、「ああ、缶切りなんて使わないでこうするのよ」と言って、出刃包丁を。


そして包丁を振りかぶり、真上から缶をひと刺し! ヒデブー!

開いた穴に包丁をグイッと食いこませ、ギコギコと缶を切る! アベシっ!


てこの原理も無視、飛び散るオイルも無視。

缶と包丁が織りなす不快な金属音も、一切無視です。


参りました。そして、ありがとうママさん。

包丁で開けたとは思えないほど、キレイに開けてくれました。



入れたいものをすべて入れ、無事に炊飯器のスイッチをオン。

20分くらいで炊きあがりました。もうすでに、しょうゆとツナの香ばしい香りが。



いや、これは絶品です。

ツナもしょうがも、しょうゆもだしも全部うまくハマってます。

しょうがをすらずにみじん切りにしたのが正解でした。風味がいいのね。


あまりにうまくできたので、パパさんママさん、シスターズを呼びましたが、


「もうご飯食べた」(シ)「今ちょっと忙しい」(マ)

「外国の料理は医者に止められているんだよねー」(パ)


と、それぞれの理由で断られました。おいしいのになぁ…。


とにかく、D先生ありがとう!

同期のたけよ、牛丼もいいけど炊き込みご飯はカンタンでウマイぞ!


追記

ガーナ料理もおいしいのだけど、パームオイルがたくさん使ってあって、

しばらくすると中性脂肪値がキュイーンっと上がってしまうらしいのです。

油断すればメタボになる年頃、健康のためにもたまには自炊したいです。


よろしければ、ご自慢のレシピを教えてください。

メールやコメントなど、お待ちしております!