2011年11月27日日曜日

ニワトリのジャンプだとしても



今学期最後のINSETにお呼ばれされた学校です。

ここでもCD分光器を作ってきました。



前例にとらわれるな」とも言いますが、前例は往々にして味方もしてくれるものです。

日取りや内容を前もっていっしょに校長先生と検討できたし、

近隣の学校をサーキットスーパーバイザーを通して招待してもらいました。

キャピテーショングラントという助成金もきちんと使ってもらえました。







今回はカウンターパートのビクターさんにも来てもらいました。

写真もたくさん撮ってもらいました。今までの経緯も校長先生に話してもらいました。

ワークショップの最後のあいさつもしてもらいました。


ビクターさんは困ったことがあれば朝でも夜でも駆けつけてくれるし、

日本にも行ったことがあるのでこちらの考えることをよく理解してくれるし、

これまでの活動ではずいぶんと助けてもらってきました。


自分がいなくたってアカチ郡の学校たちは今日も回っていくことは分かっているつもりだけど、

それならそれで、できるだけ多く巡回しながら多くの子どもたちと先生に出会って、

アカチががんばろうとしているINSETに少しでも歯車になろう。


帰国のチケットがぼんやりと見えてきた頃に、

ようやく自分のやりたいことが躊躇なく言葉にできている気がします。


「オレを上手に使ってくれ」が最近のキーワード。

ビクターさんをはじめ、何人かのキーパーソンに対して

「日本人ボランティア、こんな使い方もできますよ」というのを具体的に示していくことが

自分の活動のまとめ方になるのかなと思います。


授業の内容はどうしようか、INSETって何だ、

どうしたら喜んでくれるんだ、どんな場面で「お前が必要だ」って言わせてやりたいんだ。

そんなことをあれこれ考えながらジタバタ飛んでみようとしてきました。


どれだけ飛べているのかは分かりませんが、1年9ヶ月の終わりは必ず来るのだから

ニワトリくらいのジャンプだとしても、自分なりにきちんと着地しないとなと思えてきました。



2011年11月25日金曜日

赤き血のさとうきび



晴れの日が続くと、なんだかもう暑くて暑くてバテバテで、

いとも簡単に「疲れたぁ」と口に出してしまいます。


しかし、疲れたなんてたやすく口にするもんではないです。

特にひとたび懐に入ればものすごく優しくしてくれるガーナ人に対しては。


「日本人が疲れてる → 栄養が足りない → うちに来てご飯食べなさい」ということで、

この度お葬式でマイファミリーが違う町へ行ってしまって留守にしている最近は

お向かいさんが「アタシが面倒見るから!」と言わんばかりに夕食を作ってくれます。



現地食を食べるマッチョな姿を見せるわけではありませんが、

うちのママさんのバンクーも、このお向かいさんのバンクーもクセがなくて美味しいのです。

「ボルタ州のバンクーは他の州と作り方が違うのよ」とのことです。


うちに遊びに来たらちょっと試してみてください。

スープもオクラやホウレン草、ココヤムの葉に魚と貝のダシが効いてて、

きっと気にいってくれると思います。



お向かいさんはキッチンもテーブルも洗い場もすべて屋外。

風もあって星もキレイだし、それはそれは平和な時間が流れます。


キッチンの様子とかを写真に撮りたくても、

6歳と4歳の娘たちがキャッキャとフレームインしてきて

「撮れたー?見せて見せてー!あ、アタシだー!」なんてことを繰り返します。

「お前たち!」と言いながらも、カワイイのでこっちもデレデレして遊んでます。





お向かいさんお気に入りのデザートは、さとうきび。

ブルジョワになるとこれをナイフで剥いて食べますが、

わたしたちは己の歯を信じてガシガシ剥きます。


これが自分にとってはかなり大変で、

皮が剥けるか歯が折れるかの瀬戸際で毎回真剣勝負しています。



竹のような硬い皮を剥ぎ始めてさとうきびがささくれ立ちはじめ、

おっしゃ今日は調子いいぜと思って勢い良く頬張ったおよそ3口目、悲劇は起こりました。


勢い余って左内側の頬粘膜にさとうきびをストレートに差し込みすぎてしまいました。

「あ、あべし…」とささくれ立つきびの先をそっと抜いてみると…


闇夜にぬらりと染まる紅の血とさとうきび!

それを右手で持ち、よだれと血を垂らしながらなぜか笑う日本人!

固まる6歳! ギャアアァと泣き叫ぶ4歳! もらい泣きした8歳!

「大変!ス、スプライト!」と意味不明な救急処置を叫ぶママさん!


皆さん、さとうきびには十分気をつけてください。

今日もアカチは平和です。



2011年11月24日木曜日

あなたならどうする - タイヤのパンク編 -



毎度のようにラフロードを走っていたその日。

いてて、今日は妙にお尻が突き上げられるなぁ、また始まったか。

そんなことを思っていたら、そのうちに自分の運転で気持ち悪くなってきて…。

体全体を上下に振られ、五臓六腑がシェイクされる感じ。

あれ、オレ疲れてんのかな、オエー。



アカチの都会な道に戻ってきても、オエーな感じはまだ続きます。

やっとそこで気づきました。後輪がパンクしていたのです。


というわけで、さっそくタイヤ屋さんに持っていったのですが、

雨が降りそうだった(実際に降った)こともあり、

その日は店にバイクを置いて出直しました。


次の日。教育事務所のスタッフに状況を話すと「よし、いっしょに行くぞ!」と。

いやいや、皆さん予定があるというのに、それは申し訳ないからと渋っていると、

スタッフから男らしく一言。



「オマエからバイクを取ったら何が残るんだ!」



…たしかに!(泣)



というわけで、スタッフ2人を連れて前日のお店へ。

そうすると、タイヤ屋のおっちゃんが一言。

「タイヤのチューブを違う店で買ってこい、したらいけるから」


アンタ、タイヤ屋だろ!とツっこみたくなりましたが、

正確に言えばこのお店は「タイヤをはめたり外したり空気を入れたりする屋さん」らしいのです。

この町には他にも「タイヤのチューブ屋さん」もあるらしいのです。


というわけで、てくてくと「タイヤのチューブ屋さん」へ。

お目当てのサイズのチューブはすぐに見つかりました。


(以下、甲:教育事務所スタッフ 乙:タイヤのチューブ屋さん)


甲:「で、いくらなんですか?」

乙:「10ガーナセディです。」

甲:「ウソつけコラ!てめぇこの日本人からボったくろうと思うなよ!アン!」

乙:「…8ガーナセディです。」

甲:「彼は日本人ボランティアだぞ、ボランティア!リスペクトしろ!」

乙:「…7ガーナセディです。」

甲:「オレなら5ガーナセディも出さねぇけどな!ほら、ファイナルアンサーは何だ!」

乙:「もう6ガーナセディで許してください、これ以上はお代官様あぁ!」




というわけで、当初のおよそ半額でチューブを購入し、

タイヤをはめたり外したり空気を入れたりする屋さんに戻りました。



はい、無事にはめていただき、難なく終了です。

チューブを売ってはめたり外したり空気を入れたり、なんなら他の調子も見てくれるような

そんな「バイクのことなら何でもやります屋さん」があればもっと便利なのにと思いますが。


どの町も同じかもしれませんが、

「扇風機のファンは直せます屋さん」「棺桶しか作らないこだわりの大工屋さん」

「テレビも炊飯器もありますが、アンテナ工事は別の所でお願いしますな電気屋さん」など、

なんだか妙に細かく分かれております。

いっこにしてくれーって思うし、それぞれの相場もわからないのでいちいち交渉も面倒です。



今日の教訓:生活に困ったことがあれば、ガーナ人に助けてもらおう


2011年11月21日月曜日

ストロー多面体の作り方と授業の例を少し



数々のガーナ理数科隊員が実践してきた、ストロー多面体。

「いいものは、いい」ということで、私もこの学期はずっと実践してます。

こちらが教科書に出てくる立体たち。ストローの力を借りて登場です。



では、作り方です。

ここからの図は、わくわくさんの報告書からの抜粋です。

私の2年の活動、どこまでも人のふんどしを借りて相撲を取ります。


① ストローを4等分に切ったものに切れ込みを入れる

まずは、立体モデルのジャンクション部分を作成します。

ていうか、これができたらほぼ終了です。


短い部分と長い部分ができるよう、

真ん中から少しずらして「首の皮一枚」状態の切れ込みを入れます。


そして、短い部分には縦に切れ込みをスパっと1本(そんなラインが見えますね)。

長い部分にも下から縦の切れ込みを入れますが、

こちらは「首の皮一枚」の切れ込みを少し手前でハサミを止めなくてはなりません。

長い部分に100%の切れ込みを入れてしまうと、次の行程でストローがうまくはまりません。




② ストローを組み立てる

①の作業を繰り返していくつかパーツが集まったら、それらを組み立ます。

合い言葉は「ショート・イン・ロング」です。


まず、パーツを2つ手に取り、片方の「首の皮一枚」をオープンします。

で、他方の短い部分を、オープンした側から長い部分に入れます。

短い部分には縦一本切れ込みがバシっと入っているので、

簡単につぶれてくれて入りやすくなってます。


興味をもってくれたガーナ人先生にこの作業を伝える時は、

「オープン!」「ショート・イン・ロング!」という中学1年生もビックリの英語で伝えています。




③ ショート・イン・ロングを繰り返す

今回の図は足が4本あるジャンクションを作っている様子です。

4本のパーツを「ショート・イン・ロング」で組み立ます。

最後の「ショート」を最後の「ロング」に入れたら、ジャンクションの完成です。


前行程でストローをしっかり押し込みすぎると最後のピースがうまくはまりづらいですが、

二つ三つ作っているうちにすっかり慣れることでしょう。



あとは、エッジになるストローをお好みの長さに切って用意しておけば、授業準備完了です。

四角錐の頂点のみ足が4本必要で、

例えば立方体や三角柱、三角錐などはすべて足3本のジャンクションでいけます。

パーツごとにストローの色を変えれば、授業もトロピカルな気分で行えます。



まずは完成品を見せて、「四の五の言わず作ってみんしゃーい!」と言って、作らせます。

手こずる子も入れば、圧倒的な早さで仕上げる子も。

楽しそうにやってくれる日もあれば、真剣になりすぎて(?)ケンカが勃発する日もあり、

同じ授業でも学校が違えば反応も違うということで、こちらとしては日々新鮮であります。


その後に立体の名前を確認したり、それぞれのパーツの数を数えて黒板にまとめさせたり。

先にモデルを試行錯誤して組み立て終えているので、数を数えるのは比較的よくできます。



この教材は、先生のウケもよろしいようです。

「これ、接着剤使ってるんだろ?」「つまようじで支えているのか?」という先生たちと

子どもたちが板書をノートに写している間にいっしょに作ったりもしています。


1日1校で巡回している中、授業後は立体モデルを置いていくという太っ腹なことしてます。

明日の学校のストローを組み立てるために、夜も眠らず昼寝してという毎日です。

私の現任校のHPにも書いてあった「授業に一工夫を」が、

ガーナ人先生に少しでも伝わったらと思います。


言葉足らずな説明で、ストロー多面体の作り方が伝わらなかったらごめんなさい。

コメント、メールなどお待ちしております。

特にガーナ隊メンバーはいつでも電話してね、はるちゃんに。

2011年11月17日木曜日

負けられない戦い サッカーvs韓国編



ガーナ代表との試合でサヨナラ負けを喫するものの、

打ちひしがれている暇はありませんでした。


続いての国際Aマッチは、在ガーナ韓国人とのサッカー対決。

韓国人コミュニティ(?)には、こんなに立派な天然芝のグラウンドが!

何も恐れずに寝転がれるグラウンドに感謝しつつ、今度こそ負けられません。



在ガーナ日本人もたくさん集まりました。おいなりさんもいただきました。

どっからどう考えても負ける要素は見当たりません。



この日もいろいろな方面から集まった日本人チーム。

ちょっとJICAの漢(オトコ)たちで写真を撮ってみました。

よく見ると…そうです、全員10番です!


想像するに、たぶん先輩隊員が発注した時のサンプルが10番で

そのまますべてのユニフォームを10番にしてしまったのではと…。


ていうか、空気読めよ!



試合開始。運動不足の体に40分ハーフといういばらの道を行く展開に。



キャピキャピと応援する私たちベンチ。この後全員にものすごい疲労が襲うとはつゆ知らず…



ボールを巧みにキープしてよく走る韓国チームに、早くも2点のビハインド。

しかし、日本チームも負けてはいられません。がんばって仕掛ける人数を増やしたところ、


「おい、日本の10番マーク!」

「あいよ、ってみんな10番だしー!ひでぶー!」


と韓国ディフェンスをパニックに陥れることに成功し、1点を返しました。

そういうことか、ユニフォーム屋のオッチャン。感謝するぜ。



ハーフタイムというか、シャンプータイム。

夕暮れ時を選んだはずなのですが、暑いといえば暑いです。



追いつけ追い越せ、負けるなでも倒れるなの精神で後半もがんばったのですが、









結局1ー4で負けてしまいました。あーもう、悔しいっす!



韓国チームはお酒も強いこと。

ビールに眞露でイケイケゴー。私はゴーゴーヘブン、どーこまでも行こーヘーイヘイでした。

昼も夜もファンタジスタにはなれませんでした。



とにかく、この日はとても楽しいものとなりました。

キムさん、今度は勝つし、ビールの眞露割が来ても負けません。

リーさん、メールで写真送ってくれてありがとう。

「韓国人」というより、その人の名前を覚えて仲良くなれたのがうれしいなと思います。



さぁ、これを読んでいるあなた!特にガーナ隊の皆さん!

近いうちにきっとリベンジマッチがありますから、その時はあなたの力が必要です!


サッカーやったことある人もない人も、来てね!

日本チームのステキな奥様方が温かく見守ってくださったのは心強かったのですが、

ベンチでは男性隊員オンリーでキャピキャピしてたのが大きな敗因かと。

なので、次は女性隊員も来てね!

帰国した隊員も一般旅券とイエローカードを持って、来てね!

2011年11月15日火曜日

負けられない戦い 野球vsガーナ代表編



穏やかな日々を過ごしていても、人にはいつか

「絶対に負けられない戦いがそこにはある」と思う日が来るのでしょう。

その戦いが私にもやって来ました。ガーナ代表と野球をした時のことです。



「ガーナで野球?」「代表チームがあるの?」と思いましたが、ちゃんとあります。

グラウンドもデコボコの荒れ放題でレフト裏にはヤギが放牧されてましたが、ちゃんとあります。

そんな貴重な国際Aマッチの機会に、

表の顔は理数科教師、本業は野球隊員であるゆう君に誘ってもらいました。



ガーナを代表する野球選手たちに、いろいろな方面から集まった在ガーナ日本人で挑みました。

本気です。なにせ、絶対に負けられない戦いなのですから。



きっと将来ガーナのマウンドを背負う少年ピッチャーが出てきても、本気です。

くどいようですが、これは絶対に負けられない戦いなのです。


相手もうまかったのですが、即席日本人チームもかなりレベルが高かったです。

私たちのペースで試合を運ぶことができた時間帯も多かったです。


これは各自のプレーの質や野球観が優れていたこと、

そしてサインではなく大声で「はーい、次盗塁行っちゃいましょー!」と意思疎通ができたこと。

日本語で堂々と作戦を披露できるのは、国際Aマッチの醍醐味かもしれません。



ベンチも本気です。野球シロートの私も、炎天下の中一生懸命にアイスを食べました。

アイスを3つ食べて、隣のスーパーでキンキンに冷えたミニッツメイドを飲み干し、

へっぴり腰をガーナ人に笑われながらバント練習して、出場のチャンスに備えていました。



が、あえなくバント失敗。そのまま外角低めにバッチリ決められ三振。

ベンチの冷ややかな目。タプンタプンと揺れる私の腹。空はこんなに青いのに。

次のチャンスがあるならば、アイスは2つまでにしたいと思いました。



ガーナ代表、迫力ある走行守で私たちを困らせるのですが、細かい部分はまだまだのようです。

日本チーム1・3塁の場面。1塁ランナーが走り、キャッチャーが2塁へ送球するもやや暴投。

あたふたしているうちに3塁ランナーがホームインという失態の後に、ガチのケンカ。


「っかやろう、だから投げんなって言ったろ!この前もやらかしたのによぉ!」

「オメェこそしっかり捕れや、オメェのグローブはバナナのふさか!」

「英語でグローブはグラブだろ、グローブってマークパンサーかよ!」



しかし、怖いものなしでバットを振り切るプレースタイルは

シロートから見てもちょっと日本人とは違うなと感じました。

クロートが見るともっと的確なコメントがされるのでしょうが、ごめんなさい。


最後の最後は力負け、絶対に負けられないのに逆転サヨナラ負けを喫しました。



ガーナではスポーツにかける国家予算の97%がサッカーに費やされるとのこと。

残りの3%を他のスポーツと折り合いをつけながらがんばっているガーナ野球代表チーム。


先般の西アフリカ大会では交通費が出ずに出場することができなかったようですが、

私たちとならタダで試合ができますから。ぜひまたやりましょう。



2011年11月11日金曜日

Beyond the door, there's peace I'm sure



昼過ぎにめんつゆを作って、上手にできたって喜んでソファーにゴロンとしたら、

うたた寝のつもりだったのに少し寝すぎました。


ぼんやりとしか覚えてないのですが、日本の中学校で働いている夢でした。

英語の授業をしてて、寒いからってストーブをつけようと生徒が言ってきて、

じゃあALTの先生に決めてもらおうぜ、ほら英語で言ってみろよ、みたいな会話だったかと。

そのALTの先生が、二本松の訓練所でお世話になったヘンリー先生でした。

そんなことはあり得ない話なんですが、まあ夢なのでということで。


教員養成校で学生といっしょにサッカーしようってあをたけさんと約束してたのに、もう4時前。

ほんとすいませんでしたと電話で平謝りして、それから何気なくFacebookを開きました。


すると、訓練所で同じクラスだったDiegoからメッセージが。

Hey, what happened on Henry?? Is he...


えっ?と思ってヘンリーや他の講師のウォールを見ると、

英語でお悔やみの言葉が並んでいました。

何かの間違いだと思いたいのですが、葬儀の日程も書かれているので、

ひとまず落ち着いて信じます。



ヘンリーの英語の授業はこれまで出会ったことのなかったような、とても楽しいものでした。

こうやって授業できたらいいなって、ひそかに憧れていて帰ってからの目標にしていました。

教材やフリーソフトなど、教えてもらえることも常に一歩先を進んでいたように思います。

学習する上で困ったことがあれば、すぐに対応してくれた真摯な人でもあります。


ヘンリーは聡明で、またユーモアの固まりのような人です。

ホームとテクニカルの私たち12人はCool Bananasと呼ばれ、ずいぶんとよくしてもらいました。

二本松駅近くで待ち合わせて、みんなでキムチちゃんこ鍋を食べました。

課外学習で行ったカフェも科学博物館も、それはそれは至福の時間でした。


修了式の後バスに乗ろうとしていると、ヘンリーに肩をたたかれました。

「俺たちは同じ英語教師。ジュンはガーナで、俺は日本でがんばろう。応援しているから」

と日本語で言われ、その一生懸命に話すたどたどしさが逆に胸を熱くさせました。

私たちCool Bananasは、ヘンリーのことが大好きで尊敬しています。


ガーナに来てからも2回ほどメールをもらいました。

「ガーナから手紙書いてくれよ」と言われたのに、まだ送ってません。

なんで送らなかったんだろう。またすぐに会えると思っていたんだ、バカだな俺は。

自分がそんな風にのんびりしてたから、もしかして夢で会いに来てくれたのかも。


葬儀には行けないけど、ガーナで任期をまっとうして帰国すれば、

きっとヘンリーのことだから笑って許してくれると思います。

これが自分にできるせめてもの鎮魂なので、そうします。


訓練が終わってからずっと会えなかったけど、今でもヘンリーの影響を受けているように、

これからも精神的にはヘンリーに会いに行けると思います。

各国でがんばっているクラスメイトも、きっと同じことを考えていると思います。

ただ、ヘンリー。いくらなんでもちょっと早すぎるんじゃないですか…


ありがとうを言ってしまうとなんだか本当に終わっちゃいそうで怖くなるのですが、

本当にヘンリーには感謝しています。そして、これからも力を貸してください。


Rest in Peace, Henroski.  I really miss you.



2011年11月9日水曜日

二度目のスマプロはどこがちょっと違うのか



ガーナ理数科分科会渾身の一撃「スマプロ」。

せっかくなので、自分たちのよかったところを自画自賛というか地産地消してみます。



① それぞれ普段の活動を生かした内容


ワークショップだからといって特別なことをやろうとせず、

それぞれが任地でがんばっていることを応用して、地に足が着いた内容だったと思います。


ここはガーナであり日本ではないと頭では理解していても、

自分たちが目指すものが唯一無二の正解ではないとは承知していても、

「ま、マジっすか…」「もっとこうした方がよくないっすか…」となんとなく肌身で感じることが

それぞれの任地で活動しているとけっこうたくさんあります。


自分が感じた「マジっすか」はいったい何物か、「こうした方が」は具体的にどのように、などと

頭から血が出るほど考えて考えて提案してみても、肩透かしを食らうことは少なくありません。


そんな時は吉幾三を聞きながら一人酒、手酌酒で涙を流すのもよいのでしょうが、

今回はワークショップの内容にぶつけることができました。


私は「モノやカネがないことを言い訳にしない」ってことを意地になって伝えたかったし、

同じ小学校教諭のはるちゃんは「かけ算アクティビティ」の紹介を通して

「定義をのたまうだけが授業じゃない」ってことを熱く楽しく伝えていました。


リアリティをこめて投げたボールがどんな具合に届いたかは、すぐには分かりませんが

参加者が今回のことをいつか必ず思い出してくれるって決め込んで、待つことにします。



② 理数科にこだわらなかったオープンさ


今回は青少年活動のなっちゃんと村落開発普及員のかなちゃんも授業をしてくれました。

分科会員ではない二人もまた「教育」について考えていることを上手に昇華していました。


同じ職種で集まって考えを共有することはとっても心強いのですが、

あんまり同じ考えに偏りすぎてインブリーディング状態になってしまうと

生み出すアイディアが上がりっぱなしのサイドブレーキみたいになって、

走ってるのに進まないってことにもなりかねません。


自分が協力隊に参加してよかったと思うのは(←え、まだ総括は早い?)、

こうしていろんな人が「先生」しているところを見られること。

頭も心も身軽になれたり、自分を測り直すものさしをもらえたりするので。

なっちゃんとかなちゃんのクリエイティブアートも、いいアクセルになりました。



③ 模擬授業や教材準備などでのみんなの協力


8月のミーティングでは、我らが博士のご友人が日本からいらっしゃり

理科の授業実践を見せていただき、私たちの模擬授業も見ていただきました。


はるちゃんがドミで教材を準備していると誰それ構わず彼女を手伝ったり、

ドミに来た隊員が廃材の回収に協力してくれたりしました。

みんなで飲んだ時には、王冠をせっせと集めてくれた人も。


導線400本(!)をオラオラと剥いてくれたアカチの電気屋のおっちゃん、

マッチ箱をドミでいっしょに切ってくれたゆう君やふくちゃん、

ペットボトルがほしい私に一生懸命水を飲んでくれたあをたけさん。


思えばいろんな人に支えられているものです。



④ なんといってもチームワーク


理数科分科会のメンバーはどこにももたれず、それぞれちゃんと自分の足で立って

なんなら一人でゴリゴリとドリブルできるくらいの力の持ち主が揃ってます。

そういう人たちが的確にポジションを取ってパスを交換してきたのですから、強いわけです。


束になってかかる醍醐味を、今回もまた味わえたと思っています。

どんと構えてまとめあげたキャプテンジョニー、さすがです。

夜は飲んでもやる時はやるっていうみんなも、さすがです。


ほんと、仲間には恵まれました。



以上、地産地消の時間でした。