2011年10月30日日曜日

トッティ、ザッケローニ、ヤマモート



ところで、アカチでのINSET(教員研修)は、各学期の第3・第6・第9木曜日に

郡内一斉に行うように、教育事務所が指導しています。


しかし、これだけでは自分がINSETに関われる機会が限られてしまう。

子どもたちだけでなく、先生たちにも働きかけていきたいのに。


というわけで、INSETデーの前後1週間くらいなら、日程をずらして自分といっしょに

研修みたいなことをやったとレポートしてもよい、と教育事務所に配慮してもらってます。


というわけで、この日は下の写真にある学校で授業を見てもらうことにしました。



ちなみに、私は授業のはじめに「どの国から来たでしょう?」と子どもたちに聞いてみます。

今までの珍回答は、ガーナ・ナイジェリア・アメリカ・ベトナムなどがありますが、

今回は「イタリア」と言われました。


ついにオレもジロラーモのちょいワルか!と思いきや、

この学校はイタリアの団体からの寄付で設立されたとのこと。

なるほど。チャオ。



INSETに使用する「授業見学シート」というものがあります。

様々な項目から授業を評価する、参観者のためのシートですが、

これを手にして見てもらい、授業中は自由に歩き回って子どもの様子を見てもよいとしました。


で、その後はディスカッション。

・答えをダイレクトに教えない、子どもに言わせる、見つけさせる授業について

・子どもの間違いに対する指導、間違いそのものの分析について

・ガーナの授業は最後に内容理解の質問をする先生はよい先生とされるけど、

授業の目標によっては、質問だけが評価の手段ではないということについて

・身近なものを使って教材を作る例について


など、これができたら神レベルというものばかりが話題に上がりました。

ま、話題は向こうから大まかにやって来て、自分が「こういうこと?」と整理し直して、

後は先生たちがたくさんしゃべってくれたので、よしとしたいと思います。


ほんと、こういう機会のたびに勉強不足をひしひしと感じますが、

勉強不足のひよっこなりにあと5ヶ月、背伸びしたりしなかったりでいこうと思います。



2011年10月26日水曜日

助成金をちゃんと使ったワークショップ



各学期に3回行われる先生たちの勉強会、INSET。

今回は9月の校長会で熱心に誘ってくれた学校で教材作りのワークショップです。



緑豊かな学校ですので、ワークショップも木の下で。

木から降ってくるアリたちにバシバシ噛まれたのには参りましたが、

校舎があっても暑いだろうからこの方が気持ちよいものです。



内容は前回と同じCD分光器です

材料の多くは、わくわくさんが教員養成校に残してくれたものを利用させてもらいましたが、

当該校にもキャピテーショングラントという政府からの助成金を使って、

材料の購入に協力してもらいました。


日取りやワークショップの内容をいっしょにあらかじめ検討したこと。

「金くれ!」の姿勢ではなく、助成金を適切に使用してくれたこと。

そして、いくつかの約束を校長先生が正確に守ってくれたこと。


助成金を利用したINSETの具体的な実践例は、他の学校がフォローできる貴重なものです。

日本の先生たちから見たら歩みは小さいかもしれませんが、確かに前に進んでいると思います。



今度は同じことを別のサーキットで実践すること。

実践過程を「この人なら」と思える配属先の何人かに協力してもらって、覚えてもらうこと。

11月に来る次の機会には、そんなことができたらと思います。


ま、うまくいったことをカッコつけてサラっと書いてみましたが、実際は失敗ばっかりですね。

先生たちに興味をもってもらえない日は悔しかったり、体操座りで落ち込んだりもしますが、

失敗したら、次はもうちょっと上手に失敗してやろうってぐらいのことは思えるようになりました。


とにかく、近隣4校から集まってくれた先生たちと企画してくれた校長先生、

ありがとうございました。

ていうか、写真撮る時はもうちょっと笑ってもいいと思う!



2011年10月24日月曜日

奇跡の一品、ジャンプレ



日頃の行いがよいのか、私たちのあきらめが悪かっただけなのか。

前回の悪夢がウソみたいにすんなりと行けました、近くて遠いアヴァダクパ。

ニワトリをまるごと使ったガーナ料理「ジャンプレ」、リベンジ編です。


さっそくまさと君と彼の同僚ドギーがニワトリをさばきます。

生きてるニワトリをひょいひょいさばいていく2人の姿は、代表的ガーナ人です。


ちなみにこのドギー、手際よく料理をしながら日本語を連発します。

「かみの毛がぁ、あっつーい」

「ヤギ買いたい、いくらぁー?」

「マーボードーフゥー」「ホイコーロォー」

「ちょーすっごぉーい よっぱらーい」

(以上、すべてクレヨンしんちゃん風に発音してみてください)


彼あるいは彼の前任は普段いったい何を会話しているんだと気になります。

そのぐらいおもしろい人間が選ばれて派遣される町、それがアヴェダクパです。



さて、ニワトリをさばいたらそれを余すことなくじっくり煮込みます。



唐辛子(ペペと呼びます)をすりつぶして、トマトや玉ねぎ、オクラも用意して、



煮込んだニワトリを合わせると、じゃーん!

こんなにおいしそうなスープの完成です。



ジャンプレは基本的にバンクーというガーナ料理と似ています。

主にメイズの粉を熱湯に溶かしながらオラオラと練ったものを主食に使いますが、

ジャンプレは鶏のだしがたっぷり出たスープで練るのです。これは絶対にウマいっしょ。



はい、完成です!

手前に盛られた主食を、奥に見えるスープにつけながらいただきましょう!




今更ですが、ガーナの料理はこうして一皿をみんなで囲んで、右手を使いながら食べます。

鶏のだしやらなんやらで、複雑な味の絡み合いが醸し出すジャンプレの美味さ。

余計な小細工はせず、鶏って野菜ってこんなに美味いんだと思わせるスープ。

ペペがガツンと辛いのですが、それがまた心地よくもあります。




いやぁ、これは文句なしでガーナ料理ナンバーワンの味だと思います!

朝はポリッチ、昼はライス、夜は美味しんぼを読みながら妄想ごちそうという

ガーナ隊らしからぬ生活を送っている私でも、これには感動しました。

「ガーナのご飯、実はちょっと…」というあなたも、これならきっとペロっていくよ!


なかなかありつけないごちそうを作ってくれたドギーと、

懲りずに誘ってくれたまさと氏に感謝です。


現地語をしゃべって笑う、ガーナ食を美味そうに食べる、食ったら寝る。

アヴェダクパの町中みんなが知っている彼は、協力隊の鏡のような男です。



【完全身内ネタのおまけコーナー】

トーゴの国境沿いにあるアヴェダクパは、売っている物もトーゴから来てるっぽいです。

アイスもほら、普段お目にかかれないパッケージ!



2011年10月22日土曜日

電気の授業、覚え書き



私の町アカチで使われている理科の教科書をざっと見てみると、

電気に関する学習の目標は、次の通りです。


【4年生】

・誘電子やコイルを作ろう

・直流につなげた伝導体や蓄電器の性質を調べよう

【5年生】

・半導体の性質を知ろう

【6年生】

・電磁石の性質を知ろう

・直列回路と並列回路に作ろう


5年生で半導体?まだ電池で回路の作り方も知らないのに?

学年をまたいでトピックが散りばめられているので

今っぽい言い方をすれば、ある意味スパイラルな学習が可能なのかもしれませんが、

配列をよーく見ると、「これで子どもたち本当に分かるのかな」というのが正直なところ。


というわけで、とりあえず6年生が2つの目標を達成することを願い、

それぞれ実物を見せて、できるだけ触らせて、

後の学習に役立ってくれたらという感じでやってます。


まずは、磁石を見せて、クリップをくっつけることができるかを聞きます。

これにはみんな「当たり前だよー」という反応をします。


じゃあ、この釘でクリップをくっつけることは?

「そんなのできっこないっすよー」という子どもたちに

「フッフッフ、オジさんはできるんすよー」というところから授業はスタート。


ペンの外ケースを切った筒に銅線を巻いたコイルと電池を使って、電磁石を見せます。

で、子どもにも体験させます。

こういう実験は何度やっても「ウオォー!」となるので、教える方も気持ちがいいってもんです。


電池には電気が、ということで今日の学習課題を提示し、

まずは電磁石の説明を簡単にします。



ところで、この電池、自分の部屋から持ってきたんだけど、みんなは電池を生活の中で使う?

と聞くと、たいていラジオか懐中電灯と答えます。使ってるんですね。


私は懐中電灯で使ってるよ、電灯の中には豆電球というかスモールバルブが入ってるよね、

では、電池を使ってこの豆電球を光らせてみよう、できるかな?


といって、まずは回路を作らせ、その後回路という言葉を覚えます。

それができたら、今度は電池2個を使って回路を作ってみよう、

アイディアはひとつじゃないっすよ。

そうやってみんなでチャレンジしながら直列と並列を作らせようとします。


なかなかうなくつなげられない子どもたちが多いですが、そこは短気な自分もガマンです。

「オマエ違うよ!こうだよ!」とちゃちゃを入れるガーナ人先生にも、待ての合図です。

最近は児童数の少ない学校ばかりなので、みんなで大きなテーブルに集まって実験をします。



それぞれのアイディアには名前があることを紹介し、

今度は電池を直列と並列に並べた時の違いを調べます。


電球の明るさ(これはけっこうすぐに出てくる)、電池の持ち具合(これは想像させてみる)、

それぞれ1つ電池を抜いたら(並列がまだ点灯することにキャッキャ言ってます)、などです。


回路図の知識も大事なので、ノートを写させる時にはこんな図も提示します。

どっちの図が直列だ? と答えを隠して聞くと、

けっこうな割合がきちんと答えられるので、ひと安心です。



これで1時間強の授業です。

そもそもちんぷんかんぷんな自分が電気の授業なんて、これでいいのかと思いますが。

昨日の教材を含めて、皆さんのご指導お待ちしております!

2011年10月21日金曜日

意地になって作る電気の教材



「電気」の授業で使っている教材を紹介します。

そもそも「電気回路を作る教材がガーナにはない」と言われて始めたこの授業。

「モノがないからできない」なんてお互い言わないよう、なかば意地で教材を準備しました。


まずは、電池ケース。

500mlのペットボトルを5cm幅ほどにカットしたものに

単一電池、こちらで言うと Size D の電池をぶち込んでおしまい。

アルミホイルを適当な長さに折った帯を導線の代わりにしてます。


課題はマイナス極の接触がたまに悪いこと。

私はスポンジをカットしてかませてみたりしています。

また、日本の電池は、プラス極の周りの金属部分を絶縁テープで覆わないと、

アルミホイルに多くの部分が接触してショートしてしまうかも。

こっちの電池は中国製で、プラス極の突起部分以外はプラスチックなので安心です。



豆電球ソケット。

要は横と底部にそれぞれ電気が通れば、プラスマイナス問わずに豆電球はつくので、

マッチ箱の一辺を切り取り、豆電球を差し込む切れ込みを上部に入れ、

上部と底部にアルミ箔をのりで貼り、ブスっと豆電球を差します。これでおしまい。


豆電球はきっと少し浮くので、スイッチのように頭をひょいと押してやるとつきます。

「この回路はつくかな、どうかな」と子どもたちに問うときに、

「じゃあいくよ、ジャーン!」みたいに答えを出せるので、なかなか重宝します。


ガーナ隊仲間には、ペットボトルキャップと安全ピンでソケットを作った人もいます。

そのアイディアも今度試してみたいと思います。


なお、導線は電気屋さんでコードをちょっともらって、ニッパーでビニールを裂いたら

ちょうどよい細さ、やわらかさの導線が出てきたのでそれを使ってます。

導線の端を剥いて好みのクリップをつけてやれば、パーフェクトです。



これらがあれば、直列回路や並列回路ができます。

こちらは子どもたちが作った直列回路。このアイディアはけっこうすぐに出てきます。



で、これが並列回路。

電池ケースから出るアルミホイルの帯に少し長さがあると、

このつなぎ方のアイディアが出やすいように思います。



伝わるかしら、りさっち!

授業の展開については、また明日!

2011年10月15日土曜日

世界で二番目に甘い実を探せ



「ガーナの歩き方」、第3回目はアファジャト山のふもとにある滝を紹介します。


マイナスイオンをたっぷり浴びて…が一般的な滝の楽しみ方ですが(そうなのか?)

ここの滝にはもう一つの楽しみがあるのです。


それが現地語で「アンガ」と呼ばれる、甘い実です。

このアンガ、なんと砂糖の2,000倍の甘さを誇り、世界で二番目に甘いというのです!

かつて「世界の果てまでイッテQ!」でも紹介されたとのこと。


すき家のメガ牛丼が通常の3倍の肉の量だということは食べていて納得できましたが、

砂糖の2,000倍なんて言われても、とうてい予想がつきません。


そもそも、砂糖の2,000倍って食べても大丈夫なのか?

界王拳でさえ2倍にしておけと言われていたくらいです。


とにかく、いろいろ気になるので行ってみましょう。



滝に向かう道程は小1時間ほどなのですが、

それまでに出会う自然が、日本でのそれとは似て非なりでとても楽しいです。


ほら、カカオもなんのありがたみもなく、しれっとなっています。



この時はカリスマ博士のガイドで、知的な刺激をたくさんもらうことができました。



こんなに高くスッっとそびえ立つ木も、なかなかないでしょう。



さて、そんなこんなで滝に到着です。

静かな迫力を醸し出すこの滝、本気でキレイです。


この迫力を伝えきれない自分の文章力と写真の下手さを呪いたくなるくらいです。

もうね、本当にスゴイんだからね!(パワープレイ)



ガイドのお兄ちゃんに「アンガ見つけたら教えてね」って言いながら歩いてきたので、

けっこう拾うことができました。


さぁ、これがアンガですよ! どん!



ウワサ通り赤いっすねー!

じゃあ、中身を見てみましょうか、どどーん!



曰く、この種の周りのプルプルしてるところが甘いとのこと。

世界で二番目の気分になりたくて、一斉にしゃぶりつく我々。


…あー、うん。確かに甘いっちゃ甘いけど、世界で二番目かと言われたらどうなんだろね。

そんな感じでちょっとガッカリしかけました。


しかーし!こいつの真骨頂はその後水を飲むことでよく分かるとのこと!

兄ちゃんそれ早く言ってよ、もう!


では、世界で二番目の甘さがどれほどのものか、

われらが同期のエトー選手に伝えていただきましょう。


エトー選手、どうっすか?



ヒョエエエエエ%$#+>=~&!!!!!



はい、もう頭抱えて悶絶するくらい甘いです。

砂糖100gなのに間違えて100kg入れて作ってしまったダイエットペプシみたいな具合です。

ま、そんなものを飲んだことないので分かりませんが。

とにかく、しばらくは何を食べても甘くって、助けてくれーぃという感じでした。


果たして世界で一番甘い奴の実力はどうなんだろうか?

それを確かめたいとは特に思うこともないほど、アンガはインパクトがあります。


TAGBO FALLS も Mt. AFADJATO と同じく、ボランティアなら4.5セディの入場料。

ボルタ州のホホエからひょいっとトロトロに乗っていきます。

300円以下で会える世界基準。皆さん一度はどうでしょう。

2011年10月13日木曜日

ガーナで一番高い山を制覇せよ



「ガーナの歩き方」、第2回目は山登りのお話です。


ガーナ最高峰であるアファジャト山は、我がアカチ郡が属するボルタ州にあります。

トーゴとの国境沿いに位置するその山、高さは885m。



「え、てか低くね?」と思われた方、そうでしょう。私もそう思いました。

しかし、何事も警戒不足・準備不足・体力不足で臨んでしまう私にはキツいものでした。


かれこれ違うメンバーで二回チャレンジしたので、両方の写真を使って紹介します。

とりあえず、一番左のガーナ人ガイドがサンダルであるということ、覚えておいてください。



出発です。「行きはよいよい…」とはまさにこのことか。

「最初からとばしちゃダメだ」という現役登山部顧問からの忠告も右から左で、

一度目のスタート時に意気揚々とスキップしていた自分は愚かでありました。



これは二度目の写真。すでにこの山の恐ろしさを知っている私は、

「ダメだ、若い子といっしょになってはしゃいじゃダメだ」と言い聞かせていたのですが…



何をしたって、ダメなものはダメでした(泣)

なにせ斜面がものすごく急でして、踏み出す一歩が本当にキツいのです。

山頂までムダな道は通らない、余計なお世話な男気があふれる一本道。

885mなのに、やけにファイトーいっぱーつ!感が満載なのは、こうした理由からであります。



ひーこらひーこらでやっとこさたどり着いた頂上は、二回ともすがすがしいものでありました。

くもっていたって、その霞みが神秘的に思え、



晴れていると、この世界を征服したような景色に感動し、

(おっと、はるちゃんとツーショット!)



そして、眼前に広がる山々が「あれ、この山より高くね?」との疑問を抱かせます。

そうです、すぐ向こうはもうトーゴであり、どれも900m台の山ばかりです。

ガーナで一番高い山はあまりにもあっさりと負けを認める、お人好しな山でもあります。



気を抜けば落ちてしまいそうな下り道。その急勾配ぶりが伝わるでしょうか。

ボディバランスが究極的に悪い私は、何度も滑って尻もちをつきました。



たとえ見た目がそんなに高くなくても、たとえガイドがサンダルでも、

あくまでもガーナで一番の山ですから、

敬意をもって細心の注意を払って臨むことをおすすめします。


「ボランティアでガーナに来てます」と言えば、ひとり4.5ガーナセディ。300円しないですね。

どうです、ちょっと登ってみたくなったでしょ?

2011年10月11日火曜日

電気とか立体に手を出してます



夜飯を終えて戻ると、家の前でうちのママさんやお向いのママさん、

それに近所のママさん数人で息ができないほど笑いころげてたので聞いてみると、


いやーっ、「テンプテーション」と「テマ・ステーション」って、なんか似てない?

あーもう、ヤバいヤバい!笑いすぎて吐きそう!ヒャーッヒャッヒャ!オエッ!


とのこと。ははぁ…。


たぶん「汚職事件」と「お食事券」みたいな、

あるいはビートルズのエリナ・リグビーに出てくる

Father McKenzie が「間 健二」に聞こえておかしくてしょうがないみたいな、

そんな空耳アワーを楽しんでいたのだと思います。


おかげさまで、今日もアカチは平和です。

そんなこんなで一応細々と郡内の巡回やってます。



理科は6年「電気」、先日の授業交流会でもやらせてもらった内容です。

電磁石とか、電池を直列と並列にそれぞれつないで違いを調べる、みたいなことをやってます。





算数は5年「立体」、教科書で扱う立体についてそれぞれの辺や頂点、面の数を学びます。

いろんな隊員が実践してきている「ストロー多面体」のアイディアをパクらせてもらい、

子どもたちに実際に立体モデルを作らせるところからはじめています。



実際にどんな教材を使っているのかは、また改めて記したいと思います。

ひとまず、普段の活動の様子でした。

2011年10月10日月曜日

近くて遠いアヴェダクパ



私はアカチ郡のアカチという町に住んでいまして、

同じアカチ郡のアヴェダクパという町には現在まさと隊員が住んでいます。


巡回指導でもバッチリ圏内に入っているアヴェダクパ。

バイクでダラダラ走っても1時間ほどで到着できる、いわばご近所さんです。


そのまさと君から、ニワトリをしめて一匹まるごとをぜいたくに使うガーナ料理

「ジャンプレ」をみんなで作るから来てよ!と誘ってもらいました。


じっくり煮込んだ鶏ガラスープでこねるバンクーに、

プリプリと新鮮そのものな部位をふんだんに使ったスープ。

どっからどう考えても、そいつは絶対ウマいはずです。


「もう、行かない理由がわからん!」とはりきって、

教員養成校のあをたけさん(あ、わくわくさんの後任です)と向かうことにしました。

(注:22-1の皆さん、モロッコのあおくんではないです)



朝7時、アカチのマーケットにあをたけさんと集合。

アヴェダクパ行きのトロトロを待ちます。


はーい、ちょっとここで解説です。

すでにご承知の方も多いかもしれませんが、この「庶民の足」とも言えるトロトロ、

決められた発着時刻などは存在せず、出発するタイミングは基本的に

「乗客で車が埋まったらゴー」という、大変分かりやすいものです。


裏を返せば「乗客が集まるまで待たなくてはならない」ということです。

そう、ここから私たちの悲劇は始まりました。


1時間、2時間…。待てども待てども、乗客はなかなか集まらず。

ジョブズ早すぎるよねぇとしゃべって待っても、

「日本に帰ったらまず何食べたいか」大会して待っても、

お目当てのトロトロが乗客で埋まる気配はまったくありません。


まさと君からはちょくちょく電話がかかってきます。

「今からニワトリ買ってきまーす」

「毛むしるとこまで終わりましたよー」

「今煮込んでるんすけど、すんごいウマそうっすよー」


その度にこちらは、ガーナ人伝家の宝刀「ソーリー、アイムカミング」の一点張りな返答。



ウワサには聞いていましたが、実際こんなに待ちぼうけを食らったのは初めてです。

おかげで、改めてトロトロというものをじっくり観察したように思います。


たとえば、下の写真。

右手前のトロトロは子ヤギをぶちこんでいます。

もう見慣れてしまいましたが、人が乗る車にヤギがドナドナされてるって…

もしもつばさがあったならば 楽しい牧場に帰れるものを…(ん、牧場はないか)


また、左奥のトロトロは荷物を載せるためにきっとスペースが必要だったのでしょう。

シート1列をガボっ!と外し終えて、やーれよっとと休憩している様子が伝わるでしょうか。

ジャマならどかせばいい。なんか文句あっか。

北斗の拳のような非常にシンプルな生き様です。



そんなこんなで昼の12時半、ついに私たちの心は折れました。

「あたし待ーつーわ、いつまでも待ーつーわ」の「いつまでも」は、

「いくらなんでも5時間30分が限度ではないか」という仮説をこの度立てたいと思います。


まさと君には謝りの電話を入れ、

まさと君及び同僚のガーナ人からはお悔やみの言葉をいただきました。


私とあをたけさんはなんだかもう切なくて、昼間っから飲んでやり、

そのうちに襲ってきた雷雨が余計に物悲しくさせた、そんな週末でした。


嗚呼、ジャンプレ食いたかったし…!



2011年10月8日土曜日

トップダウンとボトムアップ



理数科分科会の「授業交流会」、まとめです。


企画者のだっくとたける君が工夫したこととして、

「ガーナ人先生にも授業をしてもらう」

「授業後のディスカッションではガーナ人先生とも意見を交わす」が挙げられます。



すでにそのディスカッションや仲間たちのブログなどで指摘されていることですが、

ガーナ人と日本人の授業スタイルの違いを端的に言えば

「ガーナ人授業=トップダウン」「日本人授業=ボトムアップ」だと思います。


日本で働いていた時にはそんなに気にしなかった、

ていうかそのように考える余裕も知識も経験もまったくなかったのですが、


ガーナ人が日曜日の教会でまくしたてる牧師よろしく圧倒的にしゃべくり倒し

子どもたちには「イエッサー」しか言わせないぞという様子を目の当たりにすると、

はて、自分たちはこんな風に授業を展開していたっけと内省させられます。



トップダウンかボトムアップかについては、答えはひとつではないと思います。

単元の進み具合で使い分けることもあるし、教科内容や子どもたちの実態、

周りが先生に求めること、それにその土地の文化によっても変わると思います。

もっと言うと、人が何かを覚えたり学習したりする時に、

この2つがどのように働いて処理が進むのか、科学的な知識も求められます。


自分がふがいないのは、このことにちゃんと答えられないこと。

きっとこんな感じの授業がいいと信じているけど、決定的な証拠がない。直感でしかない。


言いたいことがのどまで来ている感じがするけど、なんだかうまく言葉にできない。

言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、ポイズン!って感じでしょうか(違うって)。


とにかく、「世界も、自分も、変えるシゴト。」とはよく言ったもので、

ガーナ人の授業を通して自分の授業を考え、

ガーナでの生活をメガネにして日本でのことを振り返る機会は本当に多いです。



とはいえ、違いは配慮しますが、遠慮するつもりはありません。

今の時点でひねり出した自分なりの答えを、ガーナ人先生に投げかけていけたら。


ガーナ人授業のスタイルも否定はしないけど、

せっかくガーナに来ているのだから、日本人がしてガーナ人がしないことをしよう。

100%の答えはないのだから、

自分なりに精一杯提案して、それがきっかけで意見が生まれてくればいいな。


そんな風にふんどしを締めることができた交流会でした。

残り半年でやっとこんな風に思えるのは遅いかもしれないけど、

慌てず騒がずいこうと思います。


参加した日本人もガーナ人も、そして企画者のだっくとたける君も、本当にお疲れ様でした。