2011年4月27日水曜日

先生と学ぶワークショップ

以前紹介した「地球のステージ」の桑山さん。

茶化すような指笛、拍手…。中学校でのステージ演奏の話を読んで、胸が痛くなりました。


聞くだけじゃなくて、きちんと聴くこと。

耳じゃない所、それこそ14種類の心を使わなきゃ、大事なことは聴こえないのに。


桑山さん、陰ながら応援しています。

地球のステージ ブログ



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同じボルタ州にあるジャシカンという街で先日催されたワークショップに参加しました。

教員養成校でU.T.D.B.Eに対して、理科実験や数学アクティビティを紹介するものです。

U.T.D.B.Eとは、untrained diploma in basic educationの略で、

要は、何かしら理由があって正規の免許を持たない学校の先生のことです。(え、合ってる?)


今回も「理数科分科会」のメンバーは、それぞれの持ち場でがんばりました。

おなじみペットボトルロケットや



シャボン玉、



ヘリコプターなど。



ICT分野も、キーボードワークなどの演習を紹介しました。





僭越ながら自分も授業をさせてもらいました。

先生に教えるなんておこがましいのですが、こういうことができるのも協力隊の醍醐味です。

今回は数学アクティビティということで、ビンゴの活用法を紹介しました。



「ガーナの先生に何を伝えたいか」という問いはそっくりそのまま

「自分はどういう先生でありたいか」という問いにもなります。


答えはたくさん思い浮かんできたり、でもどれもしっくりこなかったりで悶々とするわけですが、

あえてひとつ、具体的な姿で表わすならば、

「子どもたちに勉強しろと言わずに、勉強させることができちゃう先生」でしょうか。


ビンゴを通して「計算しろ」と言わずにいつの間にかたくさん計算に取り組ませたり、

「公約数とは何か」と定義を一方的に板書することなく、生徒にそれらを見つけさせたりと、

そういう工夫をすることは、先生のお仕事の中でも楽しいことですよと伝えたかったです。

ま、実際は言いたいことの半分も言えませんでしたが…。


勉強させたい時には、「勉強しろ」と言わない。

「勉強しろ」よりも勉強させることができる言葉や仕掛けを持っている。

ステキだなと思う先生は、みんなこういう引き出しが多かったように思います。

自分もそうなれたらいいな。ガーナの先生たちといっしょに目指せたらいいな。


あ、かつて先輩先生にこんな本を紹介されておもしろかったと記憶しています。ご参考までに。




AさせたいならBと言えAさせたいならBと言え
岩下 修

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協力隊仲間はすでにいろいろと経験しているだろうと想像しますが、

例えば約束通りに人が来ない、時間が守られない、言ってたことが直前で覆るなど、

時に実施そのものが揺らぐような大きなトラブルに直面するのも、協力隊の醍醐味です。(か?)


しかし、今回はそういったものが一切なく、つつがなくプログラムが進められました。

実施先のガーナ人スタッフがとても協力的だったこと。

ガーナ人スタッフの「こうしてほしい」という願いが明確だったし、

こちらの願いもよく伝わっていたこと。


この学校に配属されているボランティアとガーナ人スタッフの間に強い信頼関係を見ました。

彼女は赴任して半年ほどなのに、すごいな。

今回のように協力し合える関係。また一つ目標をもらいました。

2011年4月25日月曜日

これ、日本でも売れると思います

「花見は自粛だよ」 「夏の花火大会もキャンセルだって」というメールをもらうと、

元気な人は元気でいるのが一番なのにさって、そう思ってしまいます。ダメかなあ。

背伸びして読んでみたNYタイムズには、ジシュクについてこう書いてありました。


Jishuku is the easiest way to feel like you're doing something, though perhaps

there isn't much thought put into how much these actions make a difference over all.



"In Deference to Crisis, a New Obsession Sweeps Japan: Self-Restraint"



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家の前でママさんがせっせと作っていたのは、「ココナッツクッキー」。

少し寝かしたココナッツを削って揚げて、砂糖をまぶしてコロコロします。


うまいんだなー、これが!

2011年4月22日金曜日

潮風がため息を空に運ぶ

人はこれを使命感と呼びます。

「復旧支えたドライバーの矜持 - ヤマト運輸の10日間」



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「学校はどこだー」とバイクで走る日々が続くと、道に迷うこともあります。

この日は迷ったつもりはなかったのですが、どうも雲行きがあやしいと。


道間違えたなぁ、でも今日はもうヒマだしこのまま走ってみるかと魔が差しました。

すると、雲行きがあやしいどころか、風のにおいも変わってきました。


ん、この潮のにおい、もしかして…



海っ! …か?

地元民に聞いてみると、lagoonだと。


我らがジーニアスによると、lagoon:潟(かた)・潟湖(せきこ)ということで、

海ではないのですが、任地でこんな景色に会えるとはと、だいぶうれしくなりました。


ちょっと休憩しようとボーっとしていたら、若者たちが「ヘイ、見ててよ!」と。

度胸試しの飛びこみ大会のようです。


「エリック16歳、行きます! ボク、男の子だもーん!」



いや、危ないんじゃないの…。



「下は浅いので、大丈夫っす! あざーっす!」



そうか、よかった…って、浅い方が危ないじゃん! おーい、聞いてるかー!



ああ…。



と、こんな感じで子どもたちもぼちぼち遊んでました。


遠浅が続くこのラグーン、魚をつかまえるオッチャンたちもいます。

ここのティラピア(白身魚、けっこうウマイ)や天然塩は有名だそうです。



遊んでいる子どもたちだけでなく、働いている子どもたちもけっこういました。

正確に言えば、この日はまだ2学期終わってなかったはずなんだけどなぁ。


あれ、これって「児童労働」になる?



2011年4月20日水曜日

おつかい3つ(後編)

人は「+」のことも「-」のことも口から言う。

「吐く」という字は口と±(プラスマイナス)からできてる。


だけど、苦しい時や夢や希望がある時にマイナスなことを言わないでみよう。

すると、「-」がなくなって「叶」という字ができる。


夢や希望は、叶う。


(prayforjapan)




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おつかい3つの、続き。



③ はじめてのバイク洗車

教育事務所のスタッフはいつも優しいのですが、唯一苦言を呈されたのは

「お前のバイクは汚い。」


お婿に行けるかしらとヤキモキするお年頃にとって「汚い」は耳の痛いご指導。

ラフロードを走り続けた今学期は、たしかにバイクも自分も泥まみれでした。


2学期お疲れさんだったね、の意味をこめて洗車隊にバイクを洗ってもらうことに。

「カーウォッシュ」の看板が出ている店に着くと、こんな感じ。



ここで、すんごい水流のホースでバシャーっといき、一気に泥を落とします。

バイクの奥の方から予想以上の土がボトボト落ちてきて、お兄さんたちもビックリ。


あかすりをして「いや、あの、でもちゃんと風呂入ってたんだぜ…」的な驚き、

あるいは耳かきをしていて「うぉ、すんごいの取れた!」的な爽快感がありました。



そして、隅々までくまなく手洗い。

けっこうしっかりしてます、ここのお店。



その頃、別のお兄さんはトロトロを洗っていました。

いつも移動手段で使うトロトロ、洗われているのを見たのははじめてでした。


しかしまぁ、洗い方が豪快なこと。

車内まであの強力噴射ホースでバシバシ洗います。ていうかその水、ウチにもくれ!

どっかから部品がバラバラ飛び散って来るのですが、気にしてはいけないようです。



2GHCで、ピッカピカ。

いやぁ、このピカピカ具合見せたいわ!と颯爽とヘルメットをかぶったはいいのですが

ここでまさかのエンジンをスパークできず。


結局、猛暑の中30分ほどバイクを押して修理屋さんに持っていきました。

バイクを洗ってバイクが壊れて、熱中症寸前。

おあとがよろしいようで。



※1GHC=60円くらいか。

2011年4月18日月曜日

おつかい3つ(前編)

「ミネラルウォーターの緊急輸出を検討しているアメリカの州 → 水売り州」

こういうギャグをかませる強さ、いいなあ。


デーブ・スぺクター




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ダラダラと身の回りのことを片づけました。


① はじめてのプリントアウト

教育事務所が停電でジェネレーターも回さないということだったので、プリンタが使えず。

道の印刷屋さんへペンドライブを持って行きました。


「任地のPCにペンドライブを挿す」のは、だいぶ注意が必要です。

ウイルス対策をしてない場合が多く、しかも日本のアンチウイルスソフトにとっては

未知の存在である「風土病」的なウイルスが多いようで、厄介です。

中にはウイルスソフトを破壊するウイルスもあるという伝説を聞いたことがあります。


ペンドライブのロックをする、余分なデータは入れておかないを徹底して、いざ。

プリントアウトは1枚40ペセワ(0.4GHC)、ちょっと高いけど仕方ない…。


ちなみにここのお姉さんは両面印刷とかもミスなくやってくれるので、いい感じです。

(ページや上下をミスったあげく、いっちょまえにお金を請求してくる人もいるんです)




② はじめての扇風機修理

部屋には2台(!)扇風機があるのですが、1台のファンが回らなくなっちゃいました。

というわけで、よっこら担いで道の修理工らしき人のもとへ。


修理工らしきオッチャンは扇風機をグルっと見渡して、

「あー、そういうことね。これ、すぐ直るねー。」と、早くも勝利宣言。


落合博満はかつて「今から俺はホームランを打ってくる」と宣言することで

自分を追い込んでから打席に向かっていたらしいですが、

このオッチャンにもそのようなプロ意識が垣間見れました。



悪戦苦闘の40分。モーターのちっちゃい部品を取り替えて無事に直りました。

「ありがとう。で、いくら?」

「10GHCだ。」


えー、ちなみに10GHCあれば、任地で1日2回豪華に食べても3日ほどいけます。

吹っかけられることもあろうかと、ポケットには1GHC札を2枚忍び込ませておきました。


「そうか、オレ2GHCしかないんだけど。」

「しょうがないなぁ…。じゃあ2GHCで。」

「でもさ、今全財産を奪われたらかわいそうだと思わないか、オレのこと?」

「そうだよなぁ…。じゃあ1GHCで。」


というわけで、10GHCが1GHCに。

こういう時の値段はあってないようなものです。


ありがとう、オッチャン。 ありがとう、アカチの落合。


後編へ続くっ!

2011年4月13日水曜日

大統領が二人いる国

本当に被災者の方々、被災地のためを思っての「自粛」なのか、

この時期に開催をして批判を浴びることを恐れた自分たちのための「自粛」なのか。

後者であれば、それは「自粛」ではなく「他粛」ではないのか。

あるフォロワーさんは「それは『自粛』ではなくて『萎縮』ではないか」と。


乙武 洋匡


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今日はおとなりの国、コートジボワールのことです。

知っていますか、コートジボワール?


コートジボワールはカカオ輸出が世界一の国です。ガーナじゃないんですねえ。

サッカーが好きな人には「チェルシーのドログバの出身国」と言えばよいでしょうか。

W杯前にも日本代表が練習試合をしてましたね、オレンジと緑のユニフォームの国です。


さて、そのコートジボワールが今とんでもなく大変なことになっています。

私も詳しいことはよく知らなかったので、まずはいっしょに歴史を勉強してみましょう。


・フランスの植民地から、1958年に自治国となる。

英語名でアイボリーコースト、仏語名でコートジボワール。

・しばらくは政治の安定が保たれたものの、1999年になると軍部によるクーデターが起こる。

・2002年には、政府軍と反乱軍とのあいだで内戦が勃発したが、南アの仲裁で鎮静化。

・国連安保理が大統領選を計画。しかし、現職大統領が文句をつけてキャンセルの連続。

・2010年10月、ようやく大統領選が実施。現職のバグボ大統領と野党勢力のワタラ氏が争う。

・選挙管理委員会が開票し、ワタラ氏の当選を認定。

ところが、バグボ氏は「選挙にズルがあった!」と、結果の無効を主張。

一方、国連や欧米の国々は「選挙したやん!」ワタラ氏当選という結果を支持。

・2010年12月、両氏ともに譲らず、なんと二人とも大統領に就任!

・国際社会は現職バグボ氏を追い出す作戦へ。

まずはバグボ氏に金銭的ダメージを与えようと、1カ月間のカカオ輸出禁止措置を。

これにより、カカオの価格(ココア先物相場)は一時、7%も高騰。

これにはバグボ氏のみならず、カカオ商社もカカオ農民も大打撃。

・2011年3月、バグボ氏側の拠点、アビジャンをワタラ氏側がとどめの総攻撃開始。


乱暴に一言でまとめるなら「大統領が大統領を辞めたくないとグズってる」でしょうか。

このまとめが合っているとしたら、フツーじゃあり得ないことです。

そして、グズって言うこと聞かないからボコボコにするというのも、ねぇ。

巻き込まれた一般市民としては、争いはもう勘弁してくれと叫びたいところでしょう。


今月4日から、仏軍とPKOの共同部隊が軍事介入を開始、

ワタラ氏側の部隊とともにバグボ氏側の拠点を攻撃した結果、

バグボ氏を拘束したことで事態は収拾する見通しとなったようです


落ち着くであろうとはいえ、この騒乱でたくさんの血が流れたのは間違いありません。

アビジャンで推定70~100万人が国内避難民になっているとUNHCRが発表されたり、

西部のドゥエクエでも、800人以上の一般市民が虐殺されたとの情報があるらしいです。

7000人もの難民がガーナに入国しているらしいとの情報も。


戦乱にまぎれた略奪や強姦が横行して現地は混乱状況、

どちらがどれだけ一般市民を虐殺したのかも、結局はよくわからないようです。

先日は日本大使公邸も襲撃されたし(無事で本当によかった…)。


ガーナを「選挙が平和裏に終わる、優秀な民主国家」と説明したのを聞いたことがあります。

平和裏に終わらない選挙の恐ろしさ、今ならよく分かるつもりです。


心配をしてくれた皆さん、ありがとうございます。

任地はトーゴ側だからということもあるかもしれませんが、こちらは至って平穏な日々です。

JICA事務所からの情報も早いし、常に心配してくれているので安心です。

エジプトやニジェールのことがとても人ごとに思えませんが、なるようにしかならないです。


ガーナもケニアもウガンダも、全部「遠いアフリカ」とくくっていたかつての自分。

それが今、遠いはずの日本のことを親身になってガーナ人に心配される日々。

だから、今起きていることをちゃんと知ること。そして、自分から「身近」に感じること。

それがせめてものお返しになると考えたいです。

「中東」「アフリカ」と一言では表せない、いろんな顔があると思います。

2011年4月11日月曜日

かいーの。

「あの人は、どう考えているんだろう」と思った時に、

必ず調べてみるうちの一人が、この人。

お時間があれば、ぜひご一読を。


内田樹の研究室「荒ぶる神の鎮め方」



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首都アクラに数日間いまして、自分の部屋を開けた状態でした。

で、家に帰るなり指さし点検で異常なしと確認し、その日は素直に寝て

次の日はカタカタとパソコンをしてました。


30分後。


何か、めっちゃかゆいかも…。


と思い太もも内側を見ると、びっくりするくらいミミズ腫れに。

これまでダニと幾多の闘いを繰り広げてきましたが、奴らはまだ生きています。

家を開けると、ボロボロのソファに潜むダニが一気に元気を吹き返すようにも思えます。


天日干し、アイロン攻撃など、いくつかの手立てを講じてきたわけですが、

今回は、この子。



RAIDなる、虫退治スプレーを使用します。

見えない敵に向かって、これでもかというくらいに噴射。

ひと缶空けちゃうんじゃないかというくらい、贅沢に撒きます。


調子に乗って「見えないものを見よう~として~」とバンチキを唄っていたら、突然のめまい。

このスプレー、かなりの殺傷能力を持ち合わせているようです。

「ダニを退治しようとしてカウンター、重症:愛知の教員」とYahoo!ニュースに載るところでした。


部屋を閉め、フラフラしながらママさんのお店の前へ避難。

ミミズ腫れは足首や腕にも広がり、オイラお婿に行けるのかしら状態。

しかし、見た目以上にその壮絶なかゆみに絶句状態。


白目をむきかけている日本人にご近所さんが次々と声をかけてくれます。


「やだ!蚊に刺されたの!マラリアだから病院に行きなさい!」

「まずは水浴びて汗を流しなさい!あ、でも水出ないっけ!」

「だから最近ファンタとか飲みすぎなのよ!甘いものを控えなさい!」

「栄養が足りないんだ!パイナポーとか甘いものを食べなきゃ!」


こういう時、みんな自分の思うことを思う存分言ってくれます。

そして、「ダニ」を英語で何と言うか知らない自分を切なく思いました。


くそっ、やりたいこといっぱいある時に限ってこうなんだから。

マラリアを疑いながら水浴びながら、甘いもの控えて甘いもの食べてしのぎます。

2011年4月8日金曜日

外から日本を考える、の続き(解答の提案編)

確かに<こころ>はだれにも見えない
けれど<こころづかい>は見えるのだ


この詩、日本ではACのCMで使われているのでしょうか。

自分はこのブログで知りました。

「ヒダカズの『ココロの授業』比田井通信編」


ちなみに自分、この方の講演会に行ったことがあります。

啓発系はあんまり好みじゃなくてなんだかなって思っていたのですが、

この方の話は引き出しが多くてとてもおもしろかったです。

機会があれば、ぜひ。


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・日本は原爆の恐ろしさを知っている。

なのに、なぜ原発を作っちゃったのさ。


…なんでだろう、本当になんでだろうね。

「クリーンで安全」というキャッチコピーとともに原発は作られたんだ。

でも、原発を抱えることになった地域住民はとんでもないことだと大反対を続けたんだ。

でも、結局大きな力に押されてしまった。

そして、今ボクたちはとても大きな電力を原発からもらっている。

野球もサッカーも夜間プレーできるし、「オール電化」という言葉もある。

地震も津波も来るって分かっているのに、原発に頼ってしまっている。

そして、原発に替わる発電方法を見つけられずにいるし、

かといって昔の電力量に戻って生活をする決意もできずにいる。

もしかしたら今、変わらなくちゃいけないチャンスなのかもしれない。


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・靖国神社は、なんであんなにニュースで論じられるの?

そんなにいけないの?


…「ジャパンのために命をささげた人」が靖国で眠る対象なのだけど、

問題はWWⅡをリードして処刑された政治家が、あそこに眠っていることなんだ。

眠っていること自体を問題にするよりは、

現代のリーダーがそこへ祈りを奉げに行くことが問題だと思われているんだ。

もう戦争はしないと誓っているのに、戦争をリードした人たちに安眠を願う。

それを見た外国は、もしかしたら「また日本は戦争するんじゃないか?」って思うよね。

だから、よくニュースになるんじゃないかな。


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・日本は強かったアーミーを捨てたと聞いている。

ではどうやって諸外国からの攻撃に耐えるんだ?

一番よいディフェンスは、アタックすることだとは思わないのか?


…アーミーを捨てた、と言い切ることは適切ではないと思う。

ジエイタイというチームが、ちゃんと日本にはあるんだ。

英語で…セルフディフェンス・フォースか? ごめん、わかんない。

たとえばサッカーなら、一番よいディフェンスはアタックすることだと思うよ。

ボールは1個しかないから、相手にボールを渡さなきゃゴールを奪われる可能性はないからね。

でも、戦争はアタックしたら、相手もアタックしてくるだろう?

武器も兵隊もお互いふんだんに用意するわけだから。

WWⅡでの反省を生かして、日本は別の道でセルフディフェンスをしようと実践中なんだ。

きっとアタックよりいいディフェンスは、あるよ。


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・ガーナにはナショナルサービスという制度がある。

1年間国のためにご奉仕、といったところだ。

日本はなぜ国のためにボランティアをしないんだ。

お前、今帰らなくていいのか?


…日本の今を思うと、ガーナにいてよいのかと考えることもある。

でも、たとえば今こうして日本の心配をしてくれる友達がガーナにいること。

これは、今まで培ってきた日本とガーナのかかわりのおかげでもあると思うんだ。

心配してくれる人が日本以外にもいることが、どれだけ心強いか。

今自分にできることは、少しでもガーナに友達を作って帰ること。

それが日本のためにもなると信じたい。

そもそも、今日本に帰っても、救助のプロではない自分にできることはほとんどない。


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・ていうか、なぜそんなに諸外国の手伝いをするんだ?

他の国が発展したら、日本は困らないか?


…セルフディフェンスの話に関係があるよね。

アタックより、コーポレーション。

これが日本の生きる道。

少なくとも、自分は教師で、ガーナの先生たちといっしょに学校で仕事できるのは

とってもうれしい話で、困りなんかまったくしないね。


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「お前はどうやって答えたんだ?」というメールをいただきましたので、書きました。

政教分離とか外交カードとかいろいろ端折ってますが、ご容赦願います。

異論、反論、オブジェクション、お待ちしております。ご指導ください。

ま、英語ではこの半分もちゃんと言えない自分が情けないのですが…。

2011年4月6日水曜日

外から日本を考える

昨日、行政組織の区長さんたちを集めて、相馬市はろう城生活に入ることの了解を得た。

いつまでも続くはずもない原発騒ぎや物流の風評被害に負けたら、

津波から被災集落住民の命を守って殉職した分団長や団員に申し訳がない。


「相馬市長メールマガジン」




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・日本は原爆の恐ろしさを知っている。

なのに、なぜ原発を作っちゃったのさ。


・靖国神社は、なんであんなにニュースで論じられるの?

そんなにいけないの?


・日本は強かったアーミーを捨てたと聞いている。

ではどうやって諸外国からの攻撃に耐えるんだ?

一番よいディフェンスは、アタックすることだとは思わないのか?


・ガーナにはナショナルサービスという制度がある。

1年間国のためにご奉仕、といったところだ。

日本はなぜ国のためにボランティアをしないんだ。

お前、今帰らなくていいのか?


・ていうか、なぜそんなに諸外国の手伝いをするんだ?

他の国が発展したら、日本は困らないか?



以上、「フクシマ」「ツケメン」「モッタイナイ」といった日本語を知っている、

日本にとっても興味のある先生からの質問たちでした。

皆さんなら、どう答えるでしょうか。


四苦八苦しながらでしたが、こういう会話をするのがとても貴重なかかわりになります。

訓練で受けた講座の成果、今ここで花開くか?!

いやいや、花開くほどちゃんと聞いてなかった…!(泣)


「外から日本を考える」というのも大事な経験です。

「中から外国を見る」と同じくらいね。

2011年4月4日月曜日

パスタと生きる

僕は一人の人間としてやれることをやった。

それが僕にとってはサッカーだっただけ。

みんながこのように人としてできることをやっていけば、日本はまた美しい国になる。


…チャリティーマッチを終えた闘莉王、よく言った。

はて、自分には「サッカー」じゃなくて、何がはてはまるだろう。



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朝はポリッチ。



昼はその辺でフライドライスかワチェか。





で、夜は自分で作るのですが、

最近はめっきり米を炊かなくなりました。


自慢にも何にもなりませんが、最近また水が出ないです。

水のありがたみを感じると同時に、なんて米は水を使うんだ!

そんなことも実感するようになりました。

米を研ぐ、米を炊く、そして米がこびりついた鍋を洗う…。


そして、米を研ごうとしてなけなしの水をドボドボっとした刹那、

新品の米に隠れていた大量のアリが溺死してぶわーっと浮かび上がった時、決心しました。


「おっし、これからはパスタと生きよう。」


テーマは、「水を使わないで、おいしく食べる」

パスタをゆでる、そして洗い物を終えるまで目標2.5L、ピュアウォーター5個分です。

誰にも望まれていませんが、以下最近の夜ご飯の様子を記します。


① アボカドと醤油とマヨネーズでパスタ! 美味。



② 救援物資「永谷園のお吸い物」とパスタ! 感動。



③ オイルサーディン缶と塩こしょうのパスタ! 昇天。



④ 豆板醤にすべてを託した四川風ラーメン風パスタ! 最強。



⑤ 平べったい麺を見てきしめんを思い出してしまったもどき! 残念。

醤油、みりん、だしの素、わかめ…。あまりにもマズく、余計に悲しくなりました。



⑥ 「わくわくさんのガーナソース」パスタ! 感涙。

危うくプロポーズするところでした。わくわくさんが男でよかった。



パスタをゆでる時にチキンストックや玉ねぎを入れておけば、

麺ができると同時にもう1品コンソメスープができているという荒技も覚えました。


そして、明日も同じものを作ると決めたら、

その皿やはしを紙で拭きとり、冷蔵庫にしまってしまう。


よーし、とりあえず自分、今日も健康です。

2011年4月1日金曜日

アディンクラ紋様とは

きれいなもの、好きな番組、面白いもの、音楽、好きな人たちの声、

そんなものに触れないと、おかしくなってしまう。

逃避じゃなくて、不謹慎でもない。

植物に水をやるように、心や神経も栄養がほしいんだ。

自分の、たったひとつの大切な心や神経を弱らせる方が、不謹慎だと今は感じる。


( 「ばなな日記」 )



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ここにも、



そこにも、



あそこにも、



ガーナにいると写真のような柄を見ます。

こりゃ何だろうとも思わずに、今までずっと流していましたが、

この柄、ちゃんと名前も意味もあるそうです。


今回の柄の名前は「ジェニャメ」、 英語表記で Gye nyame と。

意味を一言で英語で表わすと、the supremacy of God とのこと。


もうちょっとちゃんと説明すると、


太古の昔におこった創世のありさまを知るものはだれもいない。

この世の終わりを見届けるものもだれもいない。

ただ一人、神を除いては。


みたいな感じだそうです。

神の全能を崇めているとのことですが、とにかく縁起がよさそうです。


このような柄を総称して「アディンクラ紋様」と呼んでいるそうで、

まだまだ他にもありそうです。


もしかしたら、普段何気なく着ているガーナシャツのバティックにも、

実は隠れた意味があったりして。

ちょっと気にしながら過ごしてみます。

ガーナ隊の皆さん、他に例があったら教えてね。


今回の参考文献はこちら。

ガーナの歴史や風俗など、詳細だけど分かりやすく記述されています。

すーさん、あざっす。ちゃんと読ませてもらってます。

ガーナ―混乱と希望の国 (アジアを見る眼)ガーナ―混乱と希望の国 (アジアを見る眼)
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