2012年2月14日火曜日

バレンタインデーに知るカカオのこと



世はバレンタインデーということで、

きっとチョコレートが飛ぶように売れているのではないでしょうか。


私も先日カカオ農園を訪れる機会を得ましたので、

せっかくなのでチョコレートができるはじめの一歩をいっしょにのぞいてみませんか。


今回はタケタケガーナの任地、BA州のベチェムという町にある

カカオ協会、通称「ココボード」の支所におじゃましてきました。


協会の裏側には広大なカカオ農園が。

さっそくおびただしい数のカカオの木がお出迎えしてくれました。



一説には、カカオの木が育つには年間平均気温27℃以上、

しかも年間を通じて気温の差が大きくない気候が必須です。


植樹したからといってすぐに実が取れる木になる訳ではなく、

おまけに直射日光は苦手なため、近くにバナナの木などを植えて日陰を作ってあげたりと、

なかなかデリケートな子です。


後述する品種改良では、木を低くしてあげることも試みており、

見学したカカオの木たちはだいたい3mほど、高くても7mほどのものばかりでした。


さて、そんなカカオの木ががんばって実らせた果実はこちら。

木の枝や幹に直接なる果実の様子、なかなか面白いです。

カカオの果実を、カカオポッドと呼ぶことにしましょう。



カカオポッドのだいたいは手でもぎ取ることができます。

黄色く色づいて熟したものを収穫し、中の種子を取り出していきます。



アブリガーデンを訪れた時にも紹介しましたが、

種子は白い果肉に包まれており、甘酸っぱいさわやかな味がします。



種子の中は紫色で、こいつを噛んでみるとなかなか苦いです。



種子をどっさりと取り出したならば、



今度は発酵させる場所に持っていきます。



発酵させる木の箱はこのような感じ。

3段に分かれている箱の中身を適宜移し変えながら、

およそ1週間ほど時間をかけます。



バナナの葉を上にかぶせてあげて、発酵を促します。

きっとバナナの葉が温度を発酵に都合のよい温度を保ってくれるのでしょう。

果肉が落ち、種子と果汁が化学反応を起こし、少しずつ茶色になっていきます。



発酵を終えた種子は、「カカオ豆」と呼んでもよい姿へと変貌を遂げます。

これを風通しのよい場所に木組みしたすだれの上で天日乾燥させます。



乾燥させたカカオ豆はパサパサで、ずいぶんと苦くて香ばしく、

ついにチョコレートの原料になるんだという予感をさせます。



手間をかけてできあがったカカオ豆は、麻袋に詰められて出荷の時を待ちます。

値段はきっと変動するのでしょうが、この時に聞いたのは60kgで250ガーナセディ。

現在のレートでおよそ12,500円。なかなかの大金です。



ざっとこんな感じです。

こうしてカカオ豆は世界中に出荷され、

いずれはチョコレートとなって人々を癒していくわけです。


ちなみに、カカオ協会では品種改良の実験にも積極的に取り組んでいます。

剥ぎ取った茎の表皮を別のカカオの枝に上手に縛り付け、接着を待ちます。

いわゆる接木(つぎき)です。

すぐに流通する訳ではないのですが、よりよいカカオへの情熱を見た気がします。





ガーナのチョコレート製造会社は今のところ

GOLDEN TREE のブランドを掲げるこの1社しかどうやらないと聞きました。


周りの人たちがこの商品を食べているのを、見たことがないなあ。

きっとそれなりに高いからかな。

でも、ガーナのいいおみやげになるかな。帰る時は大人買いしていきます。



カカオ協会の方々は、どのセクションでも熱心に説明してくれました。

児童労働に関するNGOなどにアポを取ろうとしてもなかなか相手にしてくれない中、

さすが協会はしっかりしてるぞと感謝感激です。


とはいえ、私の主観や貧相な英語力、カカオの予備知識のなさ、

そしてまだひとつの農園しか見学していない経験のなさなどが多く影響している

今回のブログの情報は加筆修正されるべきです。


例えば、ロイズのサイトなどはずいぶんと詳しく書かれているようです。

今後もいろいろな角度から調べていきたいなと思います。


また、いつか学校でガーナのこと、カカオのことで授業をしたいという方など、

いつでも声をかけてください。

写真や情報などを共有して、少しでもお役に立てればと思います。


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【おまけ】

今回の農園には、コーヒーの木もありました。



豆を乾燥させてあげると



こんな赤い実が、



こんな感じに変化していました。



宮本亜門のように違いの分かる男ではないので、

コーヒーの件に関してはこれぐらいでご勘弁ください。

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