2010年12月28日火曜日

29歳のクリスマス

ガーナで迎えた「29歳のクリスマス」は、ただただ暑くて、

ロマンスの神様どころか、サンタさんの気配すら感じませんでした。


それでも、敬虔なクリスチャンが多い中で、

「クリスマスかくあるべき」というクリスマスを過ごすことができました。

日頃お世話になっている人にアポなしで突撃するような形で訪問しては、

ローカルなごちそうをたくさんいただいてきました。



ホームステイ先で、パームワイン


最初の2週間で強烈な免疫をつけてくれたホームステイプログラム。

その時お世話になった家庭におじゃましました。


パパさんがここぞとばかりにふるまってくれたのが、パームワイン。

自宅庭のヤシの木から樹液を取って造るパームワインは、とてもフレッシュ。

白くてトロリとしていて、ほんのり甘い。

アルコールもそんなに高くなく、なかなかイケます。

タンクにハエが入っていても、気にしてはいけません。


なんでもない話ですっかり盛り上がっていても、

コップの中のウジ虫を指でピっと払い、ガブガブと飲み続けるパパさんを見ると、

「あ、やっぱりここは日本じゃない」と我に返ります。




大ネズミの恐怖、再び


教育事務所のスタッフ邸にもおじゃまして来ました。

「今日はジュンが来るから、スペシャルを用意したぜ!」と出てきたのは、

赤いシチューがかかったヤム芋と、同じシチューがかかったライス。

いつもの食事と、変わり映えがしないような気がしました。


「さぁ、食ってくれ!今日のグラスカッターはウマイぞ!」


…来たかぁ。ネズミちゃんが来ちゃったよ。

目をつぶっても飲み込めなくて、もう食べないって誓ったのにさ。


でも、大ネズミことグラスカッターは、高級食材。

これを出されたということは、「もてなされている」ということ。


この歓迎をフイにするのは、いつもお世話になっているこの人のメンツが潰れる!

負けられない戦いが、そこにはある!

ということで、頭で考えては食べられないと思い、勢いよく素手でつかみ、かみ砕きました。


「おー!ジュンが泣きながら食ってる!そんなに喜んでくれるなんて!メリークリスマス!」


つとめて笑顔でいたつもりですが、目には涙、口には泥のニオイ、

頭の中は「これはチキンである、とてもおいしいのである」という呪文という状態で、

なんとか完食しました。


(完食直後、ドヤ顔の我々)



自分にとっては、はじめての灼熱なクリスマス。とても新鮮でした。

ていうか、2010年は新鮮なことばかりでした。

そして、新鮮に感じる気持ちはいつだって忘れたくないなと思います。

来年はどんなことをおもしろがろうか。


よいお年を!

2010年12月24日金曜日

ピンチになって気づいたこと

田舎道をバイクで走って70分が経過した頃。

これを読んでいるあなたの期待通り、バイクがエンストしました。




キックしても「押しがけ」しても、心肺停止状態のエンジン。

酷暑の中で水すら持っていない自分も、心肺停止寸前。


頭の中では「は・じ・き」が作動しはじめました。

えーっと、だいたい時速40kmで70分走ったから、家まで45kmくらいあるのね、

ジョギングで1時間に10kmくらいだから、歩いてまぁ6~7時間くらい、

ていうことは予想帰宅時刻は夜の8時~9時くらいか…。


って、そんなん絶対ムチャだわ!

今日、GESの人は出張で車使ってるから、ヘルプはムリ。

パパさんはアフラオに行っちゃってるから、こちらもムリ。


もう夕方になったらどこかの家に泊めてもらうか、

日本が誇る完全無欠のJAFに電話してみるか、なんてことを考えましたが、

考えたってしょうがないので、とりあえず歩いて引き返すことにしました。


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30分くらい歩いて、第一村人のオバチャンと遭遇。

ども、って手を振ると、すかさず「ホワイトマン、お金ちょうだい!」って。

くそぉ、このオバチャン…。

しかし、ここで怒ると日本人のイメージダウンにつながってしまうので、

「オメェこそよぉ、ちったぁ金よこせやい!チクショー!」って笑顔でかわしました。




歩き出して90分くらい経ったでしょうか。

工事用のトラックしか通らなかったこの道に、自家用車が通りました。

運転手はすぐさま自分の横に車をつけて、

「大丈夫か!故障か?オレの車に乗れ!」と言ってくれました。

そして、重たいバイクをかついで荷台へ積んでくれ、アカチまで連れて帰ってくれました。


暑さとあのオバチャンで、気持ちが完全に折れていた中で出会ったやさしさ。

せめてのお礼を、と言ったら、

「いいんだ。これは当たり前のこと。礼はほかの人に返してくれよ」と。


なんていい人なんだ…。

さわやかに去っていったその人には、感動しすぎて言葉でうまく気持ちを伝えられませんでした。



図々しくて腹立つなって思うのも、ガーナ人。

でも、やさしくしてくれるのも、ガーナ人。


物をもらって当たり前と思っているのも、ガーナ人。

でも、困っている人を見捨てないのも、ガーナ人。



メリークリスマスっ!

2010年12月23日木曜日

田舎道をゆけば

2学期に巡回する道を下見しようと、バイクでふらり旅。

アカチから北へ向かったのですが、15分も走るとこんな感じ。



す、水牛!

こういう驚きや感動は、いつまでも持ち続けたいもの。



連日30度を超している(らしい)中で池なんか見ると、かなり癒されます。



…って、よく見たらオジ様が池に!



水を汲みに来たとのことです。


たまに止まったとしても、蛇口をひねったらきれいな水が出るって、

こういう場面を見たら奇跡に近いことのように思えます。



そんなこんなでルンルンと走っていたよく晴れた日の午後、悲劇は突然訪れたのです。



…次号に続くっ!

2010年12月22日水曜日

石油が出たって、温故知新

教育事務所に行くと、朝からみんなテレビに釘つけ。



仕事中にバナナほうばりながらTVを見る姿、

赴任当初は衝撃を受けましたが、もう慣れてしまいました。

いつものドラマにしては時間が早いなぁと思ったら…。

ガーナで石油を掘り始めるぞー!という式典の中継でした。



画面にはJubilee油田の中継や掘削機の様子、式典のダンスなど放映されています。

そして、それを見て喜ぶ教育事務所のスタッフ一同。

「これでガーナも発展するぞー!」とみんなうれしそう。


ガーナで石油が発見されたのは2007年(と、たぶん言ってた)。

いよいよか、という感じなのでしょうか。



でもね、あんまり無計画に浮かれてもいけないなとも思うのです。

石油系事業に携わる人材育成のためにクマシに学校建てるって(たぶん言ってた)、

そもそもそんなに仕事があるのかな?

アカチに住んでいると分かるけど、けっこう農業している人が多い中、

急にガーナの通貨が強くなっちゃったら、だいぶ困っちゃうんじゃない?


せっかくみんなが盛り上がっているのに、

その場を空気を台無しにしてしまうようなことをしゃべっちゃいました。


「そうか。で、日本はどんな感じで発展したんだ?」と振られましたが、

いざこういう時になると、自分の無知さが本当に悔まれます。

新幹線や高速を作った時代のこと、バブルのこと…。

ガーナで暮らしていると、いかに日本のことを「知ってるつもり」でいたかを思い知らされます。


とにかく、ガーナにはせっかくのチャンスをぜひ生かしてほしいところ。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ってビスマルクも言っていたらしいので、

(NOTヴェルディのミッドフィルダー BUTドイツの鉄血宰相)

いろんな国が進んできた道を教科書にしてほしいですね。


がんばれガーナ!

自分も日本のこと勉強しよっと。



追記

日本に置いてきてしまった、あの本。

分かりやすかったのになぁ…。


そうだったのか!日本現代史そうだったのか!日本現代史
池上 彰

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2010年12月21日火曜日

暑い日はみそオクラパスタ

ご飯作るのが面倒くさくて、でも外に出るのも億劫な日って、やっぱりあります。

冷蔵庫にはマイフレンドであるオクラが。


オクラを煮て、ほんだし、味噌、醤油、わさびをカンまかせに混ぜて、

そこにパスタを放って、ちゃーっと混ぜて、ぞぞぞっとすする。



ガーナのオクラがうまい(と思う)から、こんなカンタンな食べ方でも十分うまいです。

ガーナの食材と日本の調味料のコラボに、バンザイ。


これ、クックパッドに投稿してみようかしら。


レシピ検索No.1 料理レシピ載せるなら クックパッド


2010年12月20日月曜日

潜望鏡、バージョンアップ

同任地のI隊員から電話が。

「潜望鏡、作ってみましたよー。」



教員養成校の教壇に立つI君。

いつもさりげなく「こんなんどうっすかね?」と、すごい教材を教えてくれるI君。

ホームステイで弱っていたところでカレーライスを作ってくれたI君。

本当に頼りになります。


で、ルンルンで行ってみると… うおおおー!



素材はペットボトルと鏡のみというシンプルさ!これなら先生たちもマネできそう!

しかも、ペットボトルをつなげて胴体を長くすることも!

鏡の角度が見えるので、反射の様子も理解されやすいでしょう!

「縦にしたらグラつくかもしれないので、横に寝かして使ってもおもしろいね」とのこと。


I君、本当にいつもありがとう。

ペリスコープ2号(powered by Mr.I)、2学期からのデビュー決定です。



ついでに、彼の授業にもおじゃまさせてもらうことに。

この日は水素や酸素などの気体発生や、水上置換などの採取方法、各気体の確認方法など

「あー、そういえば昔やったなー」というなつかしい内容でした。

4月の実験ツアーでもやろうかという内容なので、どのように授業をすすめるのかメモを。


学生たちは初めて見るようなリアクションをしており、

「そうか、こういう人たちががんばって先生になるのね」と、なかなか興味深かったです。


I君は学生から来る質問にも的確に答え、さすがベストティーチャー受賞!といったオーラです。

試験管立てなどもペットボトルで作るなど、工夫が散りばめられた授業でした。



同じ任地だけど、またブログも読んでね、I君。

2010年12月18日土曜日

知らないことが、おいでおいでしてる

私の割り当ては、アカチ郡の全99小学校です。

1学期はそのうちの7校を巡回しました。

あと92校、バイクでなんとか巡回することも一つの目標にしています。


授業をするにあたっては、事前にスケジュールと指導案を持参して、

「はじめまして、私は日本から来た…」と先生たちにあいさつ回りすることから始まります。

持っている資料は学校名の一覧表だけ。地図なんてありません。

授業よりも、この「学校探し」が案外大変だったり楽しみだったりします。


バイクを手にした今、生活圏から抜け出して学校を探し回ってます。

バイクで少し走ると、それはもう「ザ・アフリカ」な景色がどーんと広がります。

エンジンを止めてじっと景色を眺めているのが、最近の楽しみ。

雲がつかめそうなくらい近くに感じる空がとても青く、いやされます。



当てもなく走るのはワクワクもあり、不安もあり。

頼りになるのは、道すがら出会う現地の人。

英語が通じない場合も多々あるのですが、どの人も親切なのが本当にありがたいです。

こちらがノートに絵を書いてたずねると、土に地図を書いて教えてくれます。



走っていると、こんな道も。ぐわあー(泣)



聞いては学校を見つけ、また次の学校の場所を教えてもらい…。

もうヨネスケの「突撃!隣の晩ごはん」状態です。しゃもじ持っていこうかしら。


そして、いつかこの成果をチョーさんみたいに地図にまとめられたらいいな。

え、チョーさんを知らない?何ですとー!今すぐウィキって!


今度はどこを走ろうかな。

2010年12月17日金曜日

スイカは現地語でもウォーターメロン

スイカー!スイカが売ってるー!



12月にもスイカが食べられるなんて、ガーナええがな。

1切れ30ペセワ(20円)。めちゃ甘いです。


ちゃんと「志村けん食い」もガーナで紹介しておきました。

2010年12月16日木曜日

ガ英研(10)

師も息を切らしてダッシュする12月。

ガ英研の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。


先日ガーナでは1学期期末テストが行われました。

今日は小学6年生用の問題をすべて掲載します。


こういうことして、著作権とか大丈夫?と事務所の何人かに聞いてみましたが、

「別にいいんじゃね?」という心強い返答をいただいてますので、堂々といきます。



さて、この問題を見た時の感想は、「けっこう難しい…」です。

文章に不自然に思える言い回し()があったり、明らかに文法エラー()があったり、

単語もstubbornやresideなんか日本の高校生がようやく習う(ですよね?)ものだし、

文法も関係代名詞や仮定法まで使われている…。

pastorなどキリスト教的な単語がたくさん見られるのも、ガーナらしいですね。


そして、実施しているクラスを見たのですが、あまり出来はよろしくないよう…。

日本人にとっては、「完全なる外国語」である英語。

一方、ガーナではむしろ「公用語」である英語、

現地語が実に多く話されている中で「身につけなくてはならない」英語、

そして、各現地語との「言語間の距離」()は決して近くなく、

マスターするのも楽ではないであろう英語。


本当に、この子たちどうやって英語を身につけていくのだろう。

なんちゃって英語教師としては、やっぱり気になります。


以下の問題を見て、皆さんは何を感じますか?

ガ英研では皆さまのご意見をお待ちしております。



【Reading comprehension】

Read the following passage carefully and answer the questions that follow.

----------

     The mosquito is a flying insect that you find in hot and wet regions of the world.  Like all insects, its body has three parts, and it has six long legs.  It has a long 'proboscis' at the front of its head that it uses to suck liquids.
     Females lay over 1,000 eggs at a time. After a week, the eggs hatch into 'larva', which live under the surface of the water and breath air through small tubes.  Larva eat tiny plant matter, and they also eat each other.  After another stage of growth, the adult comes out of the water and flies away.  A mosquito lives for about one month.

----------

1. The mosquito uses its --- to suck liquids.

A. body
B. mouth
C. larva
D. proboscis


2. The mosquito is a/an ---.

A. reptile
B. insect
C. mammal
D. ape


3. The 'larva' is the --- of the mosquito.

A. hatched eggs
B. long legs
C. tiny plant matter
D. small tubes


4. How many eggs does the female mosquito lay?

A. 1,000
B. Below 1,000
C. Over 1,000
D. About 1,000


5. How long does the mosquito survive?

A. About one week
B. About one month
C. About one year
D. About two month



【Grammar 1】

Identify the modal auxiliaries in the following sentences.


1. My father should be at work by now.

A. father
B. should
C. work
D. now


2. You ought to finish the work by noon.

A. ought to
B. finish
C. work
D. noon


3. Mr. Adade might have travelled abroad.

A. have
B. travelled
C. abroad
D. might


4. Esinam must cook this evening.

A. Esinam
B. cook
C. must
D. evening


5. You need to see him before he leaves.

A. see
B. need to
C. before
D. leaves



【Grammar 2】

Choose the adverb in each sentences.


1. Immediately he saw me, he ran into the bush.

A. Immediately
B. saw
C. ran
D. bush


2. She will travel abroad if she gets the scholarship.

A. travel
B. get
C. abroad
D. scholarship


3. You must pay the money when your father comes.

A. money
B. must
C. comes
D. when


4. He talks fast so that I don't hear a word.

A. talks
B. hear
C. don't
D. fast


5. The president spoke softly to the stubborn student.

A. spoke
B. softly
C. stubborn
D. student



【Paraphrasing】

Choose the word which means nearly the same as the underlined (*) word in each sentence.


1. Our pastor preached against *theft among students.

A. shouting
B. stealing
C. fighting
D. sleeping


2. Don't *slam the door that way again.

A. shut
B. break
C. pull
D. open


3. *Indolent students do not pass examinations.

A. serious
B. focused
C. lazy
D. violent


4. We used to *live in Accra.

A. reside
B. breed
C. leave
D. steal


5. Daddy, I am very *grateful to you for the gift.

A. faithful
B. sinful
C. painful
D. thankful



【Filling the blank】

From the alternatives lettered A - D, choose the one which most suitably completes each sentence.


1. The student --- I spoke to is in J.H.S.1.

A. which
B. who
C. whose
D. whom


2. The teacher shouted --- the girl.

A. at
B. on
C. under
D. over


3. --- is the class prefect?

A. Which
B. Who
C. Whom
D. Whose


4. My father congratulated me --- passing the exam.

A. at
B. for
C. by
D. on


5. How --- everybody?

A. are
B. is
C. have
D. were


6. Look --- you leap.

A. before
B. since
C. at
D. on


7. Ama is the --- student in the District.

A. clever
B. cleverer
C. cleverest
D. more cleverer


8. If I saw him, I --- tell the police.

A. will
B. shall
C. was
D. would



【Composition】

Write a letter to your friend in another school telling him/her how your school organises "Our day" for pupils.

Tell your friend what you do when your parents away.


Note: Answer only one question from this section. Your composition should contain at least 80 words.





---its head that it uses to suck liquidsの部分。

別に---its head to suck liquids でよくないか?




A mosquito live for about one month.

三単現のsがー! 他2か所あったけど、ガ英研修正(したつもり)版で掲載してます。




言語と言語がどの程度似通っているかという概念。

学習者の母語と学習対象となる言語が似ていれば似ているほど、

つまり、距離が近ければ近いほど、全体としては学習しやすい。


たとえば、スペイン語とポルトガル語は同じロマンス語族で、

お互いの言語を全く知らなくても何とかコミュニケーションができてしまうそう。


その点、日本語と英語の距離はかなり遠いと言える。

たぶん、ガーナ国内の現地語と英語の距離も近くないような感じが。


ちなみに日本語と距離が近いとされるのは、韓国語。

英語が苦手なそこのキミ、韓国語ならいけるかもね!


(参考:白井恭弘「外国語学習の科学」 岩波新書)

2010年12月15日水曜日

テストの様子を拝見する

1学期もそろそろおしまい。

小学校でも毎学期末のテストが行われます。



各学期末のテストは業者が作成したものを使用し、

その費用として生徒1人1セディ(70円しない)集金するそうです。

各期末テストの正答率合計が50%に達しない場合は、留年です。

小学校から留年なんて…。しかも50%って、厳しいような…。


というわけで、生徒にとっては進退をかけたテストです。

進退をかけて、カンニングに走る生徒もたくさんいるわけで、

先生たちも各学年を散らして同じ机に座らせない工夫をするのですが…。


後輩は先輩に聞く。先輩はそれに応じる。そして、その答えはだいたい間違っている。

その姿や、悲しすぎる…。正々堂々といこうぜ、ガーナの若者よ!



教室はとにかく生徒でいっぱい。机が足りない場合は、椅子を机がわりに。

地面で書かされるよりはマシか。



答えはマークシートに記入という、ちょっとニュースタイル。

ただし、答え合わせは先生が一人ひとりチェックする古きよきスタイル。

家に持ち帰って採点するという先生、お疲れです!



この日は英語のテストでした。

このテストの内容については、後日ガ英研担当に報告依頼しておきます。


3択ないし4択問題という形式や、その選択肢の作り方、

テストの内容をちゃんと授業で教えて、できていることを見届けているかとか、

ツッコミたくなるところは多々ありますが、

「評価」も授業を作る大きなポイントとして考えていけたらいいなと思うのでした。


日本での資料をざっと読み返しても、評価にまつわることはたくさん出てきます。


評価基準と評価規準、評価は次への指標、

評価は生徒をラベリングするものではない、

新たな学びへと生徒の背中を押すものであるべき、

生徒の評価は自分の授業の評価でもあると考えたら、

評価のタイミングはどうするか、

期末テストだけで成績を出してよいのか、

形成的評価を活用して生徒の学びをつなぎ、広げる、



…さ、オクラ煮よっと。

2010年12月14日火曜日

みなさんのおかげです

私事で恐縮ですが、先週末に誕生日を迎えました。

わざわざ覚えていてくれて言葉を送ってくださったあなたやあなた。

感激です、本当にありがとう。


当の本人は、首都アクラになんとなく上がって散財してきました。

誕生日が1日違いの同期やドミにいた仲間から

ガーナ時間で12時ピッタリにローソクを垂らされる手荒い歓迎にはじまり、

慣れないテニスをして、ビーチでのんびりと波を愛でて、

ここぞとばかりに中華やインドカレーなどのごちそうを食べたが故に、

お金が瞬く間に飛んでしまったので、同期から貸してもらうという醜態を晒し(泣)、

帰り道はタイヤがバーストして立ち往生というおまけつきの週末でした。



しかし、アクラはお金の減りが圧倒的に速くて恐ろしい…。

隊員の手当だけで豪遊するとあっという間に破綻を迎える…。

もっと計画性のある大人になりたいと思いました。



本来なら誕生日は親が祝福されるべきじゃないかなと。

「子どもがちゃんと成長していておめでとう」ですね。

教員をやって、親の気持ちを目の当たりにするようになって、一層そう思います。


父上、母上、おかげさまで息子は平和に暮らしておりますので。

2010年12月12日日曜日

オッチャン、逮捕される

パパさんが署長を務めるアカチの警察所。

こじんまりとしたその建物には、なんと牢屋もあるんです。

逮捕された人たちがパンツ一丁でぶちこまれている姿が丸見え状態の牢屋。

会話も差し入れも簡単にできてしまうという、日本では考えられないミラクル。


そんな警察所に、道すがらふと立ち寄った先日のこと。

警察のスタッフとあいさつを交わしていると、いつものように牢屋から


うおぉぉぉー!オレに食い物くれぇぇぇー!!


という叫びにも近いような物乞いが始まりました。

うわ、始まったぜ… と思いながらふと牢屋に目をやった時、衝撃の瞬間がやって来ました。


囚人の一人はなんと、近所のオッチャンじゃないか!!

毎日私の家の前でとうもろこし挽いてた、近所のオッチャン!!

体調が悪いからといって唐辛子を生でかじって余計にもがいてた、近所のオッチャン!!



囚人:「おー、お疲れ。」

筆者:「いや、疲れてるのはそっちでしょ。ていうかオッチャン何してんの!」

囚人:「ちょっとな。ていうか、食い物くれぇー!」

筆者:「最近見ないと思ったら、こんなとこで。んもう、何やらかした?」

囚人:「うん、ちょっとな。ていうか、食い物くれぇー!」

筆者:「ちょっとって?ケンカ?」

囚人:「ま、ケンカだな。ていうか…」

筆者:「食い物は分かったから(怒)いつ出れるんだ?」

囚人:「来週だな。また家の前で会おうな。ていう…」

筆者:「食い物は反省してからじゃい!」



正直、かなり驚きました。家の前のオッチャンが逮捕されてるなんて…。

気を取り直そうと、ファンタと中国製あめちゃんを食べながらママさんと会話したのですが、

まさか、ここからさらなる衝撃が待ち受けていたとは…。



筆者:「もう、あのオッチャン。何してんだかね。」

ママ:「はぁ…。あんなヤツのことなんか、もう二度と思いだしたくないわ。」

筆者:「そうなの?なんかケンカしたみたいね。来週には出れるって。」

ママ:「んだとコラー!!アイツ、そんなこと言ってたの!!

筆者:「えっ?まさか、違うの…?」

ママ:「全然違うわよ!!もう許せないわ!!ガルルルルゥーー!!

筆者:「ち、ちなみに、彼は何を?」

ママ:「レイプよ、しかもイレブン・イヤーズ・オールド・ガールよ



我が耳を疑いました。開いた口がふさがりませんでした。

飲んでいたファンタは止まらなかったけど。


あのオッチャン、全く反省の様子が見られなかったな。

平気で物乞いしてたあの顔を思い出したら、怒りやらむなしさやらが覆いかぶさってきました。

ていうか、11歳の女の子は大丈夫なんだろうか。


オッチャンは50代半ば。妻は2人、孫もいる。

署長のパパさん曰く、懲役は25年。刑務所で人生を終えるべきだとのこと。

残された家族、そして11歳の女の子に幸あれとしか言えない。


隣人が犯罪者に。ガーナ油断できないがな。

オッチャン、人生懸けて罪を償ってきてくれよ。

2010年12月11日土曜日

マンゴーを喰らう

日本は寒気の中、ガーナは乾季を迎え、マンゴーがおいしい季節になりました。

多くのアフリカ隊員もマンゴーを楽しんでいるのでは?


ローカルマンゴー1個10ペセワ(7円!)、大も1個40ペセワという驚異の価格。

この2年で人生のマンゴー摂取飽和量に達することが目標です。



とってもとってもおいしいのだけど、ひとつだけ懸念が…。

それは、繊維が多くて歯に挟まること。

しかも、歯並びがよい所にガッチリと挟まるので、なかなか取れません。

歯ブラシ、フォーク、たこ糸、指、コンセント、蚊帳…

いろんなもので繊維除去を試みるのですが、うまくいかず…。

あー、気になるー!



でも、それを差し引いてもやっぱりとってもおいしいです。

おいしくておいしくて、まな板までナメてしまうという、

もしも全国6千万のファンの皆さまが見たら泣いてしまうような真似をしてしまうくらい、

もう本当においしいです。


以上、鍋がおいしいという日本の仲間へ、ささやかな抵抗でした。

日本の仲間たち、風邪には気をつけてね。



2010年12月10日金曜日

ライダー隊員になりました

ついに、ついにバイクが来ました。

赴任して6ケ月。長かった…。


でも、エンジンかからない、たまにかかってもホーンが鳴らない、

ライトが圧倒的に暗い、タイヤの空気もペッコペコ、

しばらく放置するとエンジンがストップしてしまううれしくない機能付き…


って、なーんにもいいとこないじゃん!


ということで、バイクを引いてとりあえずガソリンを入れます。



こういう道でバイクを引き続け、およそ30分。

体内が深刻な水不足に。

泣きたくても涙が乾いて出ないような状態でバイク屋に。



スパークプラグ交換、バッテリーチャージ…。

立ち会いのもと、必要な所はすべて直してもらいました。

ちなみにスパークプラグはけっこう焦げてました。焦げるものなのか?

「NGK」は「なんばグランド花月」ではありません。



ああ、修理代…(泣)

そして、ありがとう、バイク屋の皆さん。これからもお世話になります。



そしてそして、2年間無事故でいけますように。

2010年12月9日木曜日

虹を作る

またまた、5年生「光」の授業の続き。


この単元のラストは、「虹ができる仕組み」についての学習です。

光をプリズムで分けてみよう、そうするとたくさんの色が見えるね、

屈折率がどうたらこうたらで、うんぬんかんぬんしてると虹ができるよ…。


うおー、ムズーい! なーんでいきなり難易度がジャンプしちゃうかなぁ?


とにかく、まずは虹を見せよう。

光がいろんな色でできていることを目の当たりにさせよう。

とはいえ、プリズムなんて手に入らないし…。

ペットボトルに水を入れて、それごしに太陽光を紙に映そうかとも考えたけど、なんだかなぁ…。


ここで思い出したのが、ミスチルの「GIFT」のPV。

ガーナでも聞こうと持ってきたアルバムの特典でついてきたDVDの中にあります。

曲のラストで、海辺で虹を作っているシーンがあるのですが、

水を噴射しまくってキレイに虹を作って、それをメンバーは太陽を背にして見てるんです。


ということで、霧吹きで大量にミストを出して、虹を作ることにしました。

太陽を背にして10秒くらい吹いていると、「うおー!」と歓声が。

乾季の暑い太陽も、なかなかいい仕事をしてくれます。



どうしてもくもっている時は、CDの裏を使って虹色を。



太陽の光は、丸い水のツブの中で曲がって私たちの目に届きますよ。

水のツブは大きさによって曲がり方が違うので、出てくる光の色も違うのですよ。

光が曲がることを「屈折」と呼びまーす。


…と、教科書をスーパー簡単にして説明を試みたのですが、これで合っているのか?

今日も読んでくれた博識のあなた、ご指導お待ちしております。

2010年12月8日水曜日

潜望鏡を作る

5年生「光」の授業の続き。


教科書には「ペリスコープを作ろう」とあります。

ペリスコープとは、潜望鏡のこと。潜水艦から地上を見るような、アレです。

でも、教科書にはかなりゴツい潜望鏡が掲載されていて、

「私たちにはできっこないわ」と先生たちのモチベをかえって削いでいるように思えました。

授業をリクエストしてくれた先生からも、潜望鏡を作れないものかと言われてました。


というわけで、「なんちゃって潜望鏡1号」です。

なんてことない、ジュースの箱に穴を開けて2枚鏡をセットするだけです。



2枚の鏡のセットする時、45度という角度がポイントなわけで、

そうなるように測って穴を開ければ、それでよし。


実際の授業では、子どもたちにどうすれば向こうの子の顔が見えるか、

鏡を渡して試させました。


予想させて、実際にやらせて、なぜそうなったかをシェアして、まとめて…

とうまくはできませんでしたが、果たして reflection をちゃんと理解してくれたかな?





この紙パック、アカチで手に入るもの。

赤ワインもこのタイプの紙パックで売ってたりします。


鏡は工具店のオジ様からちょうだいしました。

鏡を捨てているところにたまたま出くわし、

「ちょっとー!その鏡捨てるならくださーい!」とお願いしたところ、

タダで、しかも適切な大きさに切ってくれました。


ありがとう、オジ様。

この前は釘もくれたし。この工具店、自分にとっては宝の山です。



今日も読んでくれたあなた、ありがとうございます。

ぜひ、ご指導ください。理科は奥が深い…。

2010年12月7日火曜日

救援物資とあたたかい手紙

何だかんだ楽しく過ごしているガーナライフ。

そんな中、荷物が届きました。


これは教育実習でお世話になった指導教官の先生から。

教員になってからも折に触れて貴重なアドバイスしてくれたり、

研究授業をやるとなると遠くからでも足を運んでくれたり、

食事にも連れて行ってくれたり、とても大好きな先生。

先生、お忙しいはずなのに気にかけてくださって、本当にありがとうございます!



味噌汁、ほんだしなど、今まさに欲しているものをいただきました。

そして、本も1冊。「勉強しろよ!」と言ってくれているようで、これもまた先生らしい。



そして、なんと同期隊員の仲間からも手紙が!

メールをしたりブログを読んだり、連絡をするのには不自由しないんだけど、

手書きの文字を見ると、表情が見えたり声が聞こえたりしそうな気がしました。

やっぱりうれしいものです。

タンザニアから、ケニアから、ありがとう!



そうか、俺、もうすぐ誕生日だったか…。覚えててくれたのね…(涙)



うれしくてお返事送ったので、ちょっと待っててくださいね。

ちゃんと届きますように。

2010年12月6日月曜日

まるちゃんがいる隣町へ

週末は久しぶりに同期のまるちゃんがいる隣町へおじゃまを。

トロトロで30円、20分くらいの距離です。


イタリアの援助で建てられた職業訓練校でドレスメーキングを教えているまるちゃん。

日本人とナイジェリア人がガーナにて「チャオ!」とイタリア語であいさつする、

なんともインターナショナルな香りがする環境に暮らしています。


まるちゃんがせっせとシャツを作っている中、

自分はイギリス旅行ガイドを読んで「萌え~っ!」と叫んで浪漫飛行しているだけという、

とっても有意義な週末でした。まるちゃん、ごめん。



そして、ちゃっかりとご飯もごちそうに。

ナイジェリア人のスタッフもいるイタリア系の学校ということで、

食事もパスタと、ナイジェリア流の「ガリ」が。

ガリは、卵と野菜で煮からませた「イグサスープ」なるものとともにいただきました。


ガリはキャッサバ芋を炒って作るのですが、このガリがものすごくおいしかった!

ガーナのガリは真面目に噛んだら歯が折れそうになるのに、ナイジェリア版は非常にソフト。

ガーナの皆さん、ここは是非見習っていただきたいところ!



障がい者の生徒たちとガッチリ向き合い、朝から夜までずっと服飾の指導をしている姿、

とってもカッコよかったです。現地語の上達にもビックリしました。

ありがとう、まるちゃん。

「もう来んでよし」とか言わずに、またおじゃまさせてもらいます。