2011年10月10日月曜日

近くて遠いアヴェダクパ



私はアカチ郡のアカチという町に住んでいまして、

同じアカチ郡のアヴェダクパという町には現在まさと隊員が住んでいます。


巡回指導でもバッチリ圏内に入っているアヴェダクパ。

バイクでダラダラ走っても1時間ほどで到着できる、いわばご近所さんです。


そのまさと君から、ニワトリをしめて一匹まるごとをぜいたくに使うガーナ料理

「ジャンプレ」をみんなで作るから来てよ!と誘ってもらいました。


じっくり煮込んだ鶏ガラスープでこねるバンクーに、

プリプリと新鮮そのものな部位をふんだんに使ったスープ。

どっからどう考えても、そいつは絶対ウマいはずです。


「もう、行かない理由がわからん!」とはりきって、

教員養成校のあをたけさん(あ、わくわくさんの後任です)と向かうことにしました。

(注:22-1の皆さん、モロッコのあおくんではないです)



朝7時、アカチのマーケットにあをたけさんと集合。

アヴェダクパ行きのトロトロを待ちます。


はーい、ちょっとここで解説です。

すでにご承知の方も多いかもしれませんが、この「庶民の足」とも言えるトロトロ、

決められた発着時刻などは存在せず、出発するタイミングは基本的に

「乗客で車が埋まったらゴー」という、大変分かりやすいものです。


裏を返せば「乗客が集まるまで待たなくてはならない」ということです。

そう、ここから私たちの悲劇は始まりました。


1時間、2時間…。待てども待てども、乗客はなかなか集まらず。

ジョブズ早すぎるよねぇとしゃべって待っても、

「日本に帰ったらまず何食べたいか」大会して待っても、

お目当てのトロトロが乗客で埋まる気配はまったくありません。


まさと君からはちょくちょく電話がかかってきます。

「今からニワトリ買ってきまーす」

「毛むしるとこまで終わりましたよー」

「今煮込んでるんすけど、すんごいウマそうっすよー」


その度にこちらは、ガーナ人伝家の宝刀「ソーリー、アイムカミング」の一点張りな返答。



ウワサには聞いていましたが、実際こんなに待ちぼうけを食らったのは初めてです。

おかげで、改めてトロトロというものをじっくり観察したように思います。


たとえば、下の写真。

右手前のトロトロは子ヤギをぶちこんでいます。

もう見慣れてしまいましたが、人が乗る車にヤギがドナドナされてるって…

もしもつばさがあったならば 楽しい牧場に帰れるものを…(ん、牧場はないか)


また、左奥のトロトロは荷物を載せるためにきっとスペースが必要だったのでしょう。

シート1列をガボっ!と外し終えて、やーれよっとと休憩している様子が伝わるでしょうか。

ジャマならどかせばいい。なんか文句あっか。

北斗の拳のような非常にシンプルな生き様です。



そんなこんなで昼の12時半、ついに私たちの心は折れました。

「あたし待ーつーわ、いつまでも待ーつーわ」の「いつまでも」は、

「いくらなんでも5時間30分が限度ではないか」という仮説をこの度立てたいと思います。


まさと君には謝りの電話を入れ、

まさと君及び同僚のガーナ人からはお悔やみの言葉をいただきました。


私とあをたけさんはなんだかもう切なくて、昼間っから飲んでやり、

そのうちに襲ってきた雷雨が余計に物悲しくさせた、そんな週末でした。


嗚呼、ジャンプレ食いたかったし…!



3 件のコメント:

SPAM lite さんのコメント...

浜田省吾ばりに
足元にビッグマネー叩きつけてやればよかったのに。
伝家の宝刀はジャパン・マネーだ。

匿名 さんのコメント...

ドンマイケルつД`)

Kofi Jun さんのコメント...

すーさん!
知ってるでしょ、現地手当振込日間際ですよ。
もうガーナ人もビックリなぐらいカツカツで…。
いつか奴らの足元にBIG MONEY
たたきつけてやるー♪

匿名さん!
ありが父さん。