2011年7月16日土曜日

CD分光器を先生たちと作ってみる

各学期に3回行われている先生たちの研修会、INSET(In-service training)。

今学期最後の回は、ある学校からお呼ばれして行ってきました。

お題は「ジュンが使ってたCD分光器を自分たちでも作ってみよう」です。



小5の教科書には屈折、反射、スペクトルなどなど、だいぶ難しい内容を取り扱っています。

「背伸びしてでも難しいことを覚える、これこそが教育の質的向上」と考えているような

気がしてならないのですが、それはまた別件なので置いておきます。


そんな中、少しでも具体的に分かりやすくブレイクダウンするのがボクたちのミッション。

「プリズムでスペクトルを観察しよう」というスキップされがちなページを、

プリズムの代わりになるCDの反射を利用した分光器を使って授業をすれば…


…とエラそうに書いてみましたが、実際はいつものようにアカチのわくわくさんが

「ジュンさーん、これ作ってみたんでよかったら小学校で使ってくださーい!」と

見返りもなくさわやかに寄贈してくれたものを我が物顔で使わせてもらっているだけです。


ほんと、この1年はわくわくさんのふんどしで相撲を取り続けています。



さて、この日は近隣の学校を含めて20名以上の参加者がありました。

「じゃ、その日行きますんで」と軽く約束しただけなのに…。しかも雨だったのに…。

ありがたいことです。



では、分光器の作り方です。

【材料】

・不要なCD(DVDだとうまく反射しません…)

・蚊取り線香の箱1つ(材質、大きさ、形など、なかなかいい条件を揃えています)

・絶縁テープ(路上の電気屋さんで売ってます)


【手順】

① 蚊取り線香の箱に作業ラインや切り込みなどを仕込んでおく。

CDを上手に囲ってあげて、上手に光を取り込んであげると

上述の写真のようにキレイなレインボーラインができます。

この寸法に唯一無二の正解はないと思いますが、詳細知りたい方はご連絡ください。

ちなみに、分光器内部を観察するスリットはカッターで5mm幅程度開けて、

光を取り込むスリットはパンチで穴を作りました。



② 台座を作る。

箱から三角形を2つ切り取り、絶縁テープでそれらをくっつけて四角の台座にします。

継ぎ目をふさぎ、光が漏れて来ないようにするのがポイント。



③ 台座にCDを置いて、テープで固定する。

CDの表側を向けてしまったり、テープを貼りすぎてCDをふさいでしまったり…

こちらの進行計画を乗り越えてくるファンタジスタはたくさんいます。

が、これもまた自分にとって勉強。見通しがまだまだ甘いということですな。



④ 箱の残りを使って、分光器上部を作る。

いくつか切り込みを入れて折りやすくして、元々の折れ線を活かして立体的に戻します。

この作業をした時、「ああ、だから蚊取り線香の箱なんだな」と実感することでしょう。





⑤ 分光器上部をCD付の台座にかぶせ、位置調整をする。

レインボーラインがきれいに見える位置がきっとあります。

それを見定めたら、テープで仮どめしておきます。



⑥ 台座に合わせて上部の不要な部分を切り取り、テープでビシっと仕上げる。

見栄えをよくするため、そして光が漏れてしまわないための仕上げです。

CDの存在をテープで隠してしまった方が、子どもたちはより不思議がるのではと思います。



わくわくさんが小学校を巡回したワークショップ、いつか自分もやってみたいなと思っていました。

なので、小さなセミナーでしたが、自分にとっては大きな出来事でした。

何より、自分が授業でしたことをもっと教えてくれと言われるのはとてもうれしいことです。


「お金をかけなくても授業を工夫できる」「ていうか、こういうのって楽しいのね」

そんな風に少しでも感じてくれたらと思います。


教育事務所(GES)のINSETスーパーバイザーもどれどれと見に来てくれました。

今回の教材や道具はカレッジからお借りしたもの。

こういうセミナーをGESや各学校の予算でやりくりできないかなぁ。

「キャピテーショングラント」と呼ばれる予算が存在するのだから、不可能ではないかと。

このことはINSETスーパーバイザーに相談してみようと思います。


豊富なアイディアの持ち主、スキルフルな隊員が揃っているガーナ隊。

さて、次はどなたのふんどしをお仮りしようか(笑)

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