2011年9月15日木曜日

思いをかなえるお金も大事

学期に3回行われる教員研修、いわゆるINSETをお手伝いするのもひとつの役目。

前回は教材を気に入ってくれた先生にお呼ばれして、こんな感じで研修会を開きました。


その時の反省が、研修会に必要な教材費をどうするかということ。

「身の回りのもので教材を工夫する」がコンセプトなので、タダ同然のものはあるのですが、

どうしても必要な物品や道具は、結局わくわくさんの教員養成校からお借りしたのでした。



これを少しでも教育事務所や各学校負担にできないか。

そのヒントは先日総会に合わせて行われた勉強会の内容にありました。

キーワードはCapitation GrantとSPIPです。


まず、Capitation Grantとは直訳すると「頭割の助成金」といったところです。

子ども一人あたり年間4.5ガーナセディを政府が各学校に支給する制度や助成金の名称です。

2005年から始まったようです。


どの学校がどのくらい支給されるのかは、教育事務所に一覧として掲示されています。

それぞれのCapitation Grantを各学校が満額もらえるわけではなく、

Sports DuesやCulture Duesという名目で教育事務所が一定の割合で天引きします。

それでも、例えば私の家の裏の小中併設校は全校生徒721人(え、そんなにいたか!?)で、

支給される額は807ガーナセディです。年間ではなく、1学期だけでです。

私の近所で教師をしている大卒4年目の月給が400セディといいますから、結構な額です。



授業や学習環境の充実のためならCapitation Grantをどのように使ってもよいとされています。

色チョークを買っても、壊れた太鼓を修理しても、なんなら飲料水代に充ててもよいのです。

しかし、無計画に行き当たりばったりにお金を使うのもどうかと。


そこで、各学校は年度始めにSPIPなるものを提出しなければなりません。

SPIPはSchool Performance Improvement Planの略で、

具体的にはCapitation Grantの年間使用計画のようなものです。


書かれた計画は変更可能ですが、指導主事が学校運営のアドバイスをする資料として、

またCapitation Grantの使用状況を監査する時の資料にも使うようです。

各学校は必ず教員研修を行わなければいけないので、

計画の中には研修にかかる費用も盛り込まれるべきです。

というわけで、SPIPには必ずINSETについての計画と予算もおおまかに書かれています。



前置きが長くなりました。ややこしい言葉も多くてすみません。 結論っ!


1:何か研修会を開きたい時は、Capitation Grantという助成金を使用できる。

2:必要な経費はCapitation Grantから使用するよう、当該校長に前もってうながす。

3:できるなら年度始めに、SPIPに概算を当該校長に記入してもらうのがよい。


こんな感じでしょうか。ガーナ隊の皆さん、加筆修正などコメントお待ちしております。


さっそくINSETでワークショップしてくれとお願いしてきた学校があって、ありがたい限りです。

その校長先生には、とりあえず絶縁テープを10セディとSPIPに書いてねとお願いしました。


小規模のワークショップを自腹切って開催することはできなくもないです。

分科会のイベントで少し余った材料でまかなうことも、タイミングが合えばきっとできます。

でも、そういうやせがまんや綱渡りがあっては、あんまり続いていかないだろうと思います。


今回の校長先生が誘ってくれた理由として、

「キミがいなくなってもワークショップができるように、今のうちに教えてほしい」とのこと。

身に余るお言葉ですが、本当にそれを目指すならお金のこともしっかりしないとなと思います。

2 件のコメント:

torachan さんのコメント...

お金も大事。これ本当だとおもうけど、でもそのGrantの出所はどこよ?二宮金次郎や上杉鷹山がとったような殖産興業が必要だと思う。現場で得られるリソースを使う必要があるよね。

ガーナに二宮金次郎や上杉鷹山はいないのかねー?
内村鑑三『代表的日本人』お勧めです。

Kofi Jun さんのコメント...

torachan様!

Grantですが、一応政府からの補助金です。
しかし、これがどこから出ているかと言いますと、政府?ドナーから?
ちょっと勉強してみます。

上杉って「なせばなる」の人ですか…?くらいしか知識がない自分、ドミで「代表的日本人」を見つけました!

これもまた勉強してみます。
今、西郷隆盛です。