昨日は郡内の校長先生が一斉に集まり、ミーティングをしていました。
もっぱらの話題はBECEの結果について。
基礎教育資格試験:Basic Education Certificate Examination と呼ばれる
中学校教育の最後に行われるテストがあるのですが、
アカチ郡でこれを「パス」した生徒の割合がたったの33%であったとのこと。
前年度ですら48%だったのに、こりゃいったいどうしたもんかね…といった具合でした。
BECEの結果は教育事務所の掲示板にも悲しげに掲示されています。
「だれが悪いんだ? 子ども?先生?政府?それともテスト自体?」というスタッフに
「そうだ、テストがいけないんだ…」と半分冗談、半分真顔でつぶやく校長先生たち。
思わず笑ってしまいましたが、実はここに向き合うべき課題が隠れているのかもしれません。
テストの結果に頭を悩ませ、子どもたちの点数や「学力」を伸ばしたいガーナの先生。
学ぶ楽しさを感じる中、物事の本質に迫る「学力」を伸ばしたい日本人ボランティア。
私たちの考えるそれぞれの「学力」がお互い違うと否定しあっては、うまくいかないでしょう。
「子どもを伸ばしたい」という思いは共有しているのに、です。
「知識の量を増やすこと」と「考える力を育てること」と平たく訳すとして、
これらは決して衝突するものではないと考えたいです。
スポーツを指導している時、よく「勝利と育成」という軸で語られることがあります。
「勝利至上主義に走るな」「勝ち負けは二の次で、選手を伸ばそう」など。
こうなるとまるでゲームに勝つことが悪のように聞こえてきますが、
そもそも勝ち負けが決まるルールの中で、「負けてもよい」という前提は成立しません。
トレーニングの成果を見せつけて勝ちにいこう、勝っても負けても明日もがんばろうぜ。
目的はプレーヤーや人間として成長すること、目標はあくまでもチャンピオンになること。
ことばは反義語のようであっても、実際はお互い補完し合う関係になるものはあります。
今回の「学力」も、また然り。
自分で考えて本質に迫っていく楽しさを感じたら、もっと知りたいと意欲がわくかも。
もっと知りたいと思って得た知識が、より本質に迫ることを助けるアイテムになるかも。
そんな授業実践が簡単にいくほど甘くはないですが、理想はそうでありたいなと思います。
「知識の量を増やすこと」と「考える力を育てること」は二項対立ではありません。
ガーナの先生が「知識の量を増やすこと」にまっすぐ走ることも、否定はしません。
でも、私たちのする授業があんまり遠回りではないことも、理解していただけたら。
子どもの成績の責任を取れる立場ではないけど、少しお手伝いいたします。
そんな感じで新年度もエンジョイできたらいいなと思います。
なお、「えー、テスト範囲はここまでなんで、有無を言わずしっかり覚えろー」と言っていた
ちょっと前の(そして日本に帰ってからの)自分は、今回完全に棚の上ですのでご了承ください。
2 件のコメント:
フィリピンも統一テストの結果は散々ですよ><。指導(毎日の学習)と評価(統一テスト)の一体化なんてあったもんじゃなくて、、、お願いだから、もっと点数取らしてあげてよ~、子どもの喜ぶ顔見ようよ~なんて思うばかりです。
かなし~><
こーた君!
指導と評価の一体化…。自分はとてもエラそうに言えないけど、とても大事よね。
テストができないって憤慨してんのに、自分の授業をひょっこり抜ける先生と出くわしてしまったら、今年度はソニックブーン連続で出せそうな気がします。いい先生もいるんだけどね。あと半年がんばってこ!
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