かっこいいとは、こういうことだ。 (その2)
東日本大震災で被災したサッカーJ1仙台の育成組織に所属する
藤沢恭史朗選手(15)=宮城県東松島市立矢本第二中学3年=が、
11日の地震発生時に津波に流された親子を助けていたことが24日、分かった。
藤沢選手は現在も避難所で生活しているという。
同クラブによると、藤沢選手は東松島市の自宅付近で津波に遭遇。
流されないように耐えていたところで流されてきた母子を発見し、
右腕で子ども、左腕で母親をつかみ、近くにあった軽トラックの屋根に上ったという。
胸まで浸水してきたものの、子どもを肩車し、左腕で母親をかかえたままの体勢で耐え、
徐々に水かさが減ったため、無事に2人を避難所へ送り届けて自らも避難した。
藤沢選手は身長約180センチのDFでジュニアユースに所属。
昨年12月の高円宮杯全日本ユース選手権(U15)にも出場しており、
春からはユースに昇格することが決まっている。
毎日新聞 3月24日(木)
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遠くへ行く先々で、子どもたちに「白人さん、たべものちょーだい!」とねだられる日々。
子ども相手に怒るほど心の余裕をなくしているとは思わないけど、
その後ろで「ほら、うちの子になんかあげてやってよ!」と保護者らしき大人に言われると、
怒りにも似た悲しみに包まれます。ガーナ生活も9か月が経つのに、まだ慣れない。
「腹減ったんだ、20ペセワくれ!」
「うちの子に制服買ってあげて!」
「その教材、いいな!俺にくれよ!」
「うまそうだなその飯、俺にも買ってくれ!」
「そのバイク、ジャパン製か?くれっ!」
「お前、歯にシルバー埋めてるのか!くれっ!」
「え、イヤだって?いいだろ、アンタ金のある中国人だろ!」
こういう時は「オレ?元気だよ、ありがとう!!」とまるで噛みあわない答えを返すか、
「オレも腹減ってるんだ、50ペセワくれよ。な、いいだろ。なっ!」
なんて目の笑ってない笑顔で返すと、肩をすくめてどっかに行きます。
しかしまぁ、何でももらえると思っている根性を叩き直してやりたいとも思ったりするのですが、
何せ相手は個人ではなく、この場合きっとガーナという国全体です。
自分がいくらプリプリしたって、何もいいことはありません。
それにしても、なんでこのガーナ流気軽な「ちょーだい」にこんなに腹立つのだろう。
器の小さい自分の性格もあるとは思うのだけど、どうもそれだけじゃない気がしてきました。
というわけで、今日は私の中に流れるジャパニーズ魂を研究してみます。
テキストはこちら。
韓国と日本の比較文化論ですが、なかなか的を得た文章だと思いました。
以下、第1章を要約してみました。
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日本初の憲法ともいえる十七条、その第一条で「和」が強調されている。
「和」は今日に至るまで日本を支配してきた理念で、日本人の思考の根幹をなしている。
「和」が重視される社会では、自分のポジションを正確に知ることが重要で、
分際をわきまえることが日本人の基本姿勢となった。
今日の日本人も分際を守り、与えられた仕事をパーフェクトにこなす。
なぜなら、このような社会性を踏みはずせば他人に迷惑をかけるからだ。
他人に迷惑をかけることは、日本人にとってタブーのひとつだ。
では、他人に迷惑をかけないためには?
それは、できるできないは別にして、自分の役割をきちんと果たすこと。
許された範囲で、与えられた役割をまっとうすること。
そうすれば、社会はスムーズに回る。
バランスを重視する日本社会では、
自分の役割を他人まかせにしたり、やり残した場合、無能の烙印を押される。
自分の役割を果たすこと。
これが、日本語の「一人前」の意味である。(=ひとりあたりの分)
個人の範囲が明確な社会。
食事の時も、大勢でひとつの鍋から取って食べるのではなく、
各人にひとり分の食べ物が出されるのも、
他人の領域に手を出さず、自分の範囲で処理しなさいという意味かもしれない。
量が足りないからといって他人の食べ物に手を出すこともないし、
残さないように食べ物が少しずつ出されるのも、日本流かもしれない。
つまり、自分の役割を果たすことが、他人に迷惑をかけないこと、一人前ということだ。
日本の社会では、地位の軽重に関係なく、
一人前の役割を果たすと人として扱われるが、そうでない場合は体面を失う。
皆が自分の役割を果たす社会のため、そうでない人を許さず、努力しない人も許さない。
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風のように生きながら、自分の中のジャパニーズ魂とは何かを考え続けられたらと。
明日は「ちょーだい!」を笑顔で手を振り返せるか。
※この本、ドミにあるよ。ガーナ隊の皆さん、よかったら。
4 件のコメント:
ケーンだな。全員。
何の疑問を持たずに面白いジョークあるいは社交辞令(?)だと思って言ってる感じがする...。私も永遠に慣れないと思う。
あと、あまり親しくないとそういう扱いを受けるけど、親しくなると逆に尽くされて恐縮することも多々あるよね。
この本の内容,まったくもってその通りだと思いますよ。
フィリピンはそれほど,くれくれとは言われないかも。もちろんストリートチルドレンとかはいるけど
satokoさま!
そうなんだよねぇ、親しくないやつに限ってそう言ってくる。
冗談には冗談で返せるけど、問題はシリアスに言ってくるヤツ。
あるいは、子どもを使ってねだらせるヤツ。
ガーナ人、ふところに入ればとことん優しいんだけどね…。
としさん!
異国の地に来て、日本や日本人とはなんてことを考え始めるようになりました。
こんなこと、なかったのに。
フィリピンの募金のニュース見てると、親日が多いんだなって感じます。
クラリネットの調べで、みんなを癒してあげてください(笑)
すーさん!
ケーンで済めばいいけど(笑)
そういう輩は、月にかわっておしおきです。
20-4や現職と会った?
カラオケしたというウワサも…。
いいなぁ…。
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