「なんかさ、おはぎ食いたくね?」
それは同じアカチに住むあをたけさんの、何気ない言葉からはじまりました。
美味しんぼを読んでたらおはぎが出てきて、どうしても食べたくなっちゃったんですって。
というわけで、日本食への郷愁をモチベーションにして作ってみました、おはぎ。
日本ならお彼岸あたりにコンビニでひょいっと買っておしまいの物も、
こんな風に作られているんだねーという興味とともに、自作してみました。
あずきも砂糖も難なく手に入りますし、もち米の代わりには砕いたタイ米を使用します。
まずは洗ったあずきを二度ほど茹でこぼし、渋みと硬さから決別します。
ふんだんに水を使うので、あんこって贅沢なペーストなんだなとしみじみ思います。
この段階であずきの香りがふわっと家中を包み込み、今回の成功を実感できます。
丁寧に煮てあずきが柔らかくなったら、同量ぐらいの砂糖を加えてあんこに仕立てます。
一方で米を炊いてつぶし叩き、パサパサのタイ米を強引にモチモチと丸めていきます。
で、あんこをコロコロとまぶしておはぎにしていきます。
完成までなかなか時間がかかりますが、
おはぎに時間をかけることができるほど、我々の生活は贅沢なのです。
誰ですか、ホウ酸ダンゴみたいと言ったのは。
もったりとしたおはぎをほおばる時、それは日本人でよかったと思う瞬間です。
または、あおたけさん美味しんぼを読んでくれていてありがとうと思う瞬間でもあります。
この感動を隣人と分かち合うのも国際交流か。
というわけで、うちのファミリーやご近所さんに振舞ってみました。
① まずはお向かいのママさん。
「ビーンズをシュガーと煮たんすよー、ライスといっしょに丸めましたー」と説明したら、
「ジーザス、ヘルプミーっ!」と食す前からモチベーションを下げてしまったようです。
なんとか気を直してもらい、一口挑戦してもらったのですが、
とたんにガクガクと震え出し、「ンボッ!」と白目で何かを訴えていたので、ドクターストップ。
意識が朦朧とする中でひねり出してくれた味の感想は、
「サンキュー、ジーザス。アイム・フリー」でした。
よっぽど恐ろしい味だったのか、しばらくして気を取り戻した後、しみじみと
「アタシの上に輝く星、あれは死兆星かい」とたずねてきたので、
「大丈夫だよ、M78星雲 光の国だよ」と答えておきました。残念。
② 続いて、おてんば末っ子ミリセンツ。
食べる前からゲテモノを見る様相の、食わず嫌い。
いいからとにかく食ってみろ、未来は明るいぞと促します。
が、どうやらダメな模様。
まだ10年ちょいしか経っていないのに、世紀末みたいな顔をして逃げちゃいました。無念。
③ よきお手本、女子高生のドロチー。
料理ベタな私の愛情たっぷり味噌汁を「美味しい!」と言ってくれ、
ルーが足りなくて残念な薄々カレーも「美味しい!」と言ってくれる、心優しき味音痴。
今回も期待は裏切らず、「むはぁ、美味しい!」と言ってくれました。しかも日本語で。
人は背中を見て育つもの。ここからプラスの波及効果が始まりました。
④ 向かいのエスタとミリセンツ(小)、裏のジュリア。
ドロチーの食べっぷりに触発されて、向かいのエスタも美味しそうに食べてくれました。
どうでもいいことですが、エスタは最近私のスネ毛を無言でスリスリして研究しています。
ミリセンツ(小)も覚えたての「オイチー!」を連発です。
もうこの子は何やっても楽しそうです。おはぎも元気よく食べました。
ジュリアも「ああ、これスイートね」とほっこりしてくれました。
洗濯物を取り込む手伝いをしてくれるジュリアは、おはぎを食べても癒やし系です。
結局、子どもたちには大人気だったおはぎ。
あれだけ嫌がってたミリセンツ(大)もモリモリ食べ始め、いつの間にか完売です。
あをたけさん、いつも楽しませてもらってます。次は何を作りましょうか。
現在あをたけさんが読んでいる美味しんぼは何か、聞いてみます。
2 件のコメント:
ちょっとおはぎが食べたくなってきた・・・
リベルダージに行ってきます。
Fátimaさん!
いいなあ、そんな日本人街があって…
こっちも餃子作ってみようかしら!
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