田舎道をバイクで走って70分が経過した頃。
これを読んでいるあなたの期待通り、バイクがエンストしました。
キックしても「押しがけ」しても、心肺停止状態のエンジン。
酷暑の中で水すら持っていない自分も、心肺停止寸前。
頭の中では「は・じ・き」が作動しはじめました。
えーっと、だいたい時速40kmで70分走ったから、家まで45kmくらいあるのね、
ジョギングで1時間に10kmくらいだから、歩いてまぁ6~7時間くらい、
ていうことは予想帰宅時刻は夜の8時~9時くらいか…。
って、そんなん絶対ムチャだわ!
今日、GESの人は出張で車使ってるから、ヘルプはムリ。
パパさんはアフラオに行っちゃってるから、こちらもムリ。
もう夕方になったらどこかの家に泊めてもらうか、
日本が誇る完全無欠のJAFに電話してみるか、なんてことを考えましたが、
考えたってしょうがないので、とりあえず歩いて引き返すことにしました。
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30分くらい歩いて、第一村人のオバチャンと遭遇。
ども、って手を振ると、すかさず「ホワイトマン、お金ちょうだい!」って。
くそぉ、このオバチャン…。
しかし、ここで怒ると日本人のイメージダウンにつながってしまうので、
「オメェこそよぉ、ちったぁ金よこせやい!チクショー!」って笑顔でかわしました。
歩き出して90分くらい経ったでしょうか。
工事用のトラックしか通らなかったこの道に、自家用車が通りました。
運転手はすぐさま自分の横に車をつけて、
「大丈夫か!故障か?オレの車に乗れ!」と言ってくれました。
そして、重たいバイクをかついで荷台へ積んでくれ、アカチまで連れて帰ってくれました。
暑さとあのオバチャンで、気持ちが完全に折れていた中で出会ったやさしさ。
せめてのお礼を、と言ったら、
「いいんだ。これは当たり前のこと。礼はほかの人に返してくれよ」と。
なんていい人なんだ…。
さわやかに去っていったその人には、感動しすぎて言葉でうまく気持ちを伝えられませんでした。
図々しくて腹立つなって思うのも、ガーナ人。
でも、やさしくしてくれるのも、ガーナ人。
物をもらって当たり前と思っているのも、ガーナ人。
でも、困っている人を見捨てないのも、ガーナ人。
メリークリスマスっ!
3 件のコメント:
世の中にはえー人もいるもんだ。・゚゚・(>д<;)・゚゚・。
大変な出来事だったけど、素敵な出会いにつながってよかったね。
私も、任地の人たちに数々のピンチを救われています(^^)
当たり前のように助けてくれるので、時々当たり前のように受け取ってしまいますが、どんな小さなことでも感謝の気持ちは忘れちゃいけないなって改めて思いました。
そして私も、当たり前のように人に優しくできる人でいたいと思います。
KZ!さち!
日本でもモロッコでもどこでも、いい人はいるねぇ。
「いいヤツばかりじゃないけど、悪いヤツばかりでもない」だね、まさに。
よいお年を!
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