2012年1月27日金曜日

ほんとにほんとにほんとにほんとにライオンか?



「そろそろ活動のこと書いたら?」と聞こえてきそうですが、もう少しいきます。

「ガーナの歩き方」第8回はカクム国立公園です。



前回のケープコーストからひょいっとずれた所にある立派な国立公園。

エコツーリズムをうたって運営されています。


「エコツーリズム」の定義はなかなか難しいようですが、

とにかく目の前の自然を壊さずに生かそうという姿勢は随所に垣間見えました。



エキシビジョンもとてもキレイで立派なものでした。

大道具やちょっとした仕掛け、色とりどりのグラフや写真などなど、

子どもも大人も楽しめそうな工夫が散りばめられています。



うっそうと茂る林を眺める窓には、動物の絵が仕掛けてあります。

「さあ、この動物さんはどこにいるかなー?」と自分でめくれるようです。

なんだか楽しそうでわくわくしながらスキップで近づいてみました。



さーてと、まずは… ん? どうやらライオンのようです。

2億年ほど前の、進化の過程のライオンを描いた学術的な絵にも見えてきます。

へー、ライオンいるんだ、すごいねーと思いきや…



「ライオンはいねえべ」と一蹴。

んだよ、期待させやがって! …なんて怒ったら負けのような気がしました。



気を取り直して、ゾウさんにいきます。

えーっと、ゾウさんは…



「だからいねえっての」 「なんでかって?さあな」

自分が子どもでこんなこと言われたら、おうちに戻って静かに泣きます。


期待を裏切ることもなく、この後も

「いねえべ」「知らねえな」のオンパレードでした。

ありがとう、ボクたちに世の中の厳しさを教えてくれてありがとう。



カクム国立公園の真骨頂は、吊り橋ツアー。

自慢の森林に張り巡らせた吊り橋たちを渡り歩き、自然を愛でようというものです。



女性と高所を前にすると下痢を催すティキンな私は断念しましたが、

いやー、なかなか楽しかったようですよ。


曰く、恋に欠かせない3つのingとはフィーリングとタイミング、そしてハプニングであり、

特にハプニングとは難しい要素だが、

この吊り橋ツアーはそんなラストピースを埋めてくれる絶好のアトラクションだと。


私としては、力説するこの同期メンズ2名が恋に落ちていないことを願うばかりです。



吊り橋で撮った写真の販売なんかもしています。

ほんと、全体的にはかなりしっかりしていてキレイな公園です。


胸のポケットに甘酸っぱいキャンディーを抱えているのなら、

こっそりとこの公園に誘ってみてはいかがでしょうか。



2012年1月25日水曜日

ケープコーストの光と影



「ガーナの歩き方」第7回はケープコースト城です。

ケープコースト城は17世紀に木材や金の貿易の拠点として建てられました。

ヨーロッパ人がヨーロッパの外に作った最古の建造物のひとつでもありますが、

後に奴隷貿易の拠点として利用されたことで有名です。



各地方から奴隷として連行された者たちはこのような拠点に集められ、

南北アメリカ大陸などに送り出されていった訳です。


奴隷を監禁するために使われていた地下牢などを見学しながら、

ガイドさんが当時の様子を説明してくれます。



こういう牢屋におびただしい数の奴隷を詰めこんで管理していたようです。

「このあたりまで排泄物が溜まるほど環境は劣悪で…」と説明するガイドさん。


この牢屋はまだ天窓があるだけよい方のようで、

反抗的な態度の奴隷は本当に何も窓のない牢屋で死を待つのみだったようです。



ケープコースト城にはオバマ大統領も2009年に家族と訪れており、

その時の献花が今でも残されていました。


アフリカ移民の子孫ということで、

「(アメリカはキライだけど)オバマは好き」みたいなところがあるようで、

ガーナの中で人気があるんだなと個人的に感じています。



「帰らずの扉」(ドア・オブ・ノー・リターン)と呼ばれるドア。

ここをくぐったら最後、いよいよ奴隷として送り出されていったようです。



扉を開けると、海がそこに。

海を見るのは好きですが、こういう文脈で見る海はとても切ないです。


「黒人のルーツはここにある」という意味で、現在では「帰らずの扉」の裏に

「ドア・オブ・リターン」と書いてあります。



城内にある展示場も、キレイなディスプレイが並んで秀逸でした。

ただ、きっとこれはヨーロッパ人が作った展示場ではないかと思いました。


それは「奴隷貿易にもよい点があった」という記述が堂々とされていたから。

「奴隷貿易で町は栄え、学校を建設するなど教育面でも…」みたいな文章には目を疑いました。

ガーナ人が自分たちの祖先に誇りをもっていたら、こんなことは書かないはずです。


物事にはいろいろな側面があるから、角度を変えながら見なくちゃとは思ってますが、

人が人として扱われなかったことに、「よかった」ということはあってはいけません。

日本人にとっては「原爆投下にもよい点があった」という投げかけと同じです。


奴隷貿易って、きっと売る人も買う人もまじめに実施していたんだろうと想像します。

真顔で自分たちのイデオロギーを貫いて、こそこそなんかしていなかったと思います。


正しいとか間違っているとかは、もうすでに超えていて、

こういう状態を「心が荒れている」と呼ぶと思います。


笑えないもん、やっぱり荒れているよ。

荒れたまんまの心で展示場を作ったら、違う誰かがまた荒れるよ。



さて、時代は流れ、ケープコーストはいまやガーナ随一の観光地であります。

たとえばケープコースト城のすぐ横には美味しいレストランがあって、

新鮮な海の恵みを堪能することができます。



さらに少しずれて、アノマボ・ホテルなんて所に行けば、

ビーチでのんびり海を見ながらお酒も飲めるし、



豪華なコテージにレストランもあって、ブルジョアな気分になれます。



しかしこうして何世紀も前の爪痕を前にして、

人間はこんなにも残酷になることがあるということは忘れてはいけないし、

繰り返さないように、時々真剣に思い出さなくてはと感じます。


世界遺産にも登録されているケープコースト城。

ガーナに訪れることがあれば、一度はどうでしょうか。


2012年1月18日水曜日

キノコ村のプリンセス



まだまだいきます。

「ガーナの歩き方」第6回目は同期のかなちゃんの村を紹介します。

※注真ん中の男性はかなちゃんではないです)



彼女の任地はノーザン州の州都タマレから車で30分ほど離れたモデュアという名の村ですが、

今回は「キノコ村」と呼ばせていただきましょう。


なぜなら、その村には「キノコハウス」なる家が林立しているからです。

こちらがそのキノコハウスです!どん!



かなちゃん曰く「あたしのキノコは、もうちょっといいキノコ」らしいですが、

私のようなシロートからすると、キノコはキノコです。

町の警察署長さんと住んでいる自分がブルジョワに感じました。


中はこんな感じ。なかなか涼しくて心地がよかったです。

電気も通っているので、裸電球をぶら下げることもできます。



キノコハウスの隣にはこんなスペースも。 さて皆さん、これ何だと思います?



正解は「モスク」とのこと。

ガーナのモスク(ガーナ英語的には「モクス」)と言えば下の写真のようなものですが、

祈りを捧げるのに必要なのは、場所じゃない、建物でもない。気持ちなんだ!

と、松岡修造の声が聞こえてくるようでした。



そんなキノコ村のかなちゃんは、村落開発普及員として活動しています。

先日同じ村落隊員であるちかちゃんの紹介もしましたが、

村落の人の活動は本当に多岐に渡ります。


たとえば、下の写真。 ゴロゴロした物体、何だと思いますか?

美容に詳しいそこのあなた、正解です。シアバターノキの果実、シアナッツです。

保湿効果に優れるシアバターの原料は、こんな感じなんですね。

これを軸に据えて女性たちの収入向上を図ることも、彼女の大事な活動の一部です。


お肌ケアと言えば「肌水」くらいしか知らない自分、

恥ずかしながらシアバターなど知りませんでした。


ロクシタンTHE BODY SHOP で買うと高いって知らんの?だからアンタはキモ(以下略)」

と何名かにあたたかくご指導をいただいた結果、

これがいかに価値付けすることができるものかを知りました。


エブリデイ紫外線のガーナ隊女性がそれでも一様にキレイなのは、

シアバターのおかげもあるらしいです(と、ちょっとヨイショしてみる)。



かなちゃんの話で一番感銘を受けるのが、学校での活動のことです。

彼女のキノコの目の前は小学校。

ここだけではなく、いくつかの小学校を巡回しているとのことです。



たとえば、これはかなちゃんが作ったゴミ箱。

「ゴミはゴミ箱へ」を伝えることも、この国では根気のいることです。



自分は小学校教諭。

すでに学校という活動場所はあるので、何の迷いもなく考えを授業に集中させ、

「子どもたちに何が残せるか」「先生たちをいかにその気にさせるか」を自分に問います。


かなちゃんは村落開発普及員。

「この村がもっとよくなるためには」という問いが基本にあり、

未来の担い手に働きかけることも有効と判断した結果、学校というフィールドを選択しました。


教育の成果というか、人の変容というか、そういうものを見届けようとすると

とても根気がいるし、よく分からないまま任を解かれる場合も多々あります。


「オレのしていること、意味あるのかなあ」と考えれば考えるほどハマりそうにもなります。

これは、日本でもガーナでも。


そんな時、学校をメタにとらえたかなちゃんの視点で見つめ直すと力が湧いてきそうです。

村における学校の役割(集まる場を保障している時点でとても大事なことなんだ)、

教育の大切さ(歩みはゆっくりだが、確かに前に進んでいるんだ)、

先生の存在(一目置かれる存在だし、その立場からしかできないこともあるんだ)。


学校というフィールドは人づくりだし、町づくりだし、未来づくりだ。

そんな場面にかかわれるなんて、ありがたいじゃん。

そう考えれば、仕事に追われることなく追いかけることができそうな気がしてきます。



キノコ村のプリンセスは、子どもたちにも大人気。

手を赤く染めているのも文化の一端)


現地語を駆使して正面から向き合う姿は、誰もが力をもらえると思います。

ガーナの村落を垣間見ながら、お肌もキレイになって明日への勇気も出るキノコ村体験。



かなちゃんの活動は「世界HOTアングル」にも寄稿されているので、読んでみてください。



2012年1月16日月曜日

パンツ一丁で聖なる山へ



「ガーナの歩き方」第5回目はアッパーイースト州にある「聖なる山」の紹介です。

州都ボルガタンガから南にずれて行くと、トンゴヒルズと呼ばれる集落があります。

この一帯に「聖なる山」があるということなので、行ってきました。



「ヒルズ」ですから、基本的にはこんな景色が広がっています。

どこまでも広がる緑がキレイで、心が洗われるようです。



ずんずんと歩いていくと、こんな岩にも出会います。

この岩の狭間はかつて学校として利用されていたとのこと。



そう、そしてここには今でも人々が暮らしているのです。

こちらは人々の住居群。地理の資料集にありそうな景色が目の前に現れました。



住居群の中を歩いていくと、こんな感じ。



「でね、これはシュライン(a shrine)だよ」とガイドさん。


人間が暮らす空間には、『霊的な備え』が必須だ」と内田樹氏は書いていますが、

返事がないものにも語りかける資質がどうやら人間にはあり、

畏るべきものにはしかるべき形式をもって畏れ、

人間を超えた何かを経由して、人間たちが治まっていく、

そんな風景をこのガーナ生活でたくさん見聞してきました。


宗教学についてはまったくもって未だ不勉強ですが、

「その人たちなりの祈り方」にふと出会うと、なんだか背筋が伸びる思いになります。



そんなことをなんとなく考えながらさらに進むと、こんなソーラーパネルが!



このソーラーパネルの持ち主である、集落のチーフにごあいさつです。

真ん中に座っている方です。


いろいろと話してくれたのですが、

分かったのは「ホンダのバイクをくれ」とおねだりされたこと(笑)。

あと、奥さんが18名と子どもが110名いるということ(笑)。


このチーフのホルモンを採取してあかひげ薬局とコラボすれば、大儲けできるかもしれません。



さあ、いよいよ「聖なる山」が見えてきました。



聖なる山ゆえに、ここからは俗世界でまとうような服は着てはならぬのです。

上着を脱ぎ、長ズボンの場合はひざまでまくり…



と、そんな説明をガイドさんがしている間に、我々同期メンズ一同はさっさとパンツ一丁に。

「いや、ちょっ、あのーそこまで脱がなくてもいいんすけど…」と若干とまどうガイドさんを尻目に、

「話は分かった、さあ行こう」と妙に潔い我々。脱ぎっぷりにかけては負けません。

赤、紫、黒… 聖なる山がキレイなお花が咲きました。



登頂完了。お約束で木の葉をぺろっとつけて「やった!やった!」と踊り

「ヒュルルルルル…」とか言いながら下山すれば、はっぱ隊のようで景気がよいのでしょうが

そこはクールな我々同期メンズ一同。

きちんと「山の守り主」の言葉に耳を傾け、雄大な景色にただただ感謝をするのでした。



入場料8セディ。今回はボルガタンガからタクシーをチャーターしました。

乾季はきっと暑いでしょうから、訪れる際は水分などもお忘れなく。

あ、あと「勝負パンツ」もね。

(女性はこの限りではありません、上着だって脱がなくても大丈夫!)



2012年1月14日土曜日

人にやさしく、猿にもやさしく



ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか。

当方今年は長すぎた寝正月を満喫しました。


ヘトヘトになってパソコンを開けば、撮りためた写真がいっぱい。

振り返ればこのガーナ生活、おもしろい仲間たちと真面目に遊ばせてもらってきました。

という訳で、「ガーナの歩き方」シリーズ再会です。


第4回目は「クマシ動物園」です。

ガーナ第2の都市、クマシ。

その中心部にひっそりとたたずむ動物園は、入場料5セディ。

アフリカにある動物園ということで、ワイルドな展開を期待してしまいます。



水場を求めるも水場がなく、やり場のないワニ



檻が厳重すぎて見せ場を失ったライオン



「よーく考えよー、オカマは男だよー」なダック類



生きてるのかどうか心配になる亀



久しぶりのエサにありつけてうれしそうなラクダと、自ら身を呈する日本の若い力



なんかもうワイルドというか、マイルドな雰囲気です。



満を持してやって来た霊長類(primates)コーナー。

バナナをあげようとすると、宙返りしてくれるお利口なお猿さんがいました。

わーいわーいとバナナをあげる仲間に続いて、私もあげてみることに。



ここで、私の奥深くに潜むサディスティックな気質が顔を出しました。

「おーい、いきまちゅよー。せーの、はい、あげ…ないっ!」

そう言って目の前でハムっとバナナを食べてみました。


わたしたちの平穏な昼下がりに惨劇が訪れました。

「ウホー!ヌオー!ヒデブー!★&%#ー!」とお猿さんが怒り狂ったのです。


バナナの皮、自分のウソコなど、時速200kmほどのスピードで手当り次第に投げる猿!

「やべー!あとよろぴくー!」と言って全力で逃げるズルい自分!

「マジで何してんすかー!」と言ってやはり全力で逃げる仲間たち!


いやー、あれはガーナに来てから一番ビビりました。

そしてここ5年くらいで一番真剣にダッシュしました。


もしも檻に鍵がかかってなかったら、投げられたウソコが鋼鉄のように硬かったら。

「なんで現場に血が流れるんだ!」的な展開にならなかったことに感謝します。



皆さん、クマシ動物園に訪れた際はきちんとバナナをあげる心構えで臨むか、

もしくはアメフトのような装備で入園することをおすすめします。



2012年1月1日日曜日

毎日がスペシャル


おいさー、こらしょー。

日本では餅つきの季節ですが、こちらでも杵を振り回しています。

そろそろ見えてきた帰国に向けて、たるんだ体幹を引き締めたいのです。

暑い国で得た物は「脂肪です」なんて言えないのです。


昨年もたくさんの方々に助けられて、本年を迎えることができました。

いろいろ具体的に引き締めて、残り80日ほどをガーナで過ごします。


そのほとんどは普通の日なのでしょうが、だからと言って騒ぐこともなく

毎日がスペシャルという竹内まりやの心もちでいきたいと思います。


では、和田さんと杵振り回してきます。